ドリンクに無料でトーストとゆでたまごが付く。このモーニングスタイルは、名古屋発の『コメダ珈琲店』によってすっかり定番と化した。そして、そんな “コメダ式モーニング” を踏襲したと言わざるを得ない、コメダインスパイア系カフェ……いや、 “珈琲” が増えつつある。
先日ご紹介したルノアール系列の『ミヤマ珈琲』もまさにそれに当たるといえるが、それらのカフェは実際どのくらいコメダに似ているのだろうか? ことミヤマ珈琲に関しては、コメダ未体験の私(DEBUNEKO)でさえ「似ている」と感じたのだから、おそらく本当に似ている……いや、参考にしたのかもしれない。ちょっくらコメダにいって、コメダとミヤマを比べてみたぞ。
・コメダとミヤマのモーニング
コメダもミヤマも、モーニングはすべてのドリンクに無料でトーストとゆでたまごを付けてもらえる。言い換えると、ドリンクの料金だけでトーストとゆでたまごも楽しめるのだ。異なるのは次の点。
コメダは、パンとのセットを、ゆでたまご・手作りたまごペースト・おぐらあん からチョイスするという形。対してミヤマは、ゆでたまごとトーストのセットに、小倉あん・ヨーグルト・トーストは各70円で、サラダ・コーンスープ・サラダは各130円で、お好みで追加できるというオプションスタイルだ。トーストを追加できるってのは魅力的!
問い合わせたところ、コメダも店舗によっては「おぐらあん」を60円で追加できるとのことだが、ミニサラダ(200円)やコーンスープ(440円)などは単品でのオーダーとなるので、追加をすると量も値段もボリューム満点になってしまう。ちょこちょこと色んな種類を楽しみつつ、値段も抑えたい私にとってはミヤマの手軽さがとってもありがたい。
・モーニングすなわちドリンクの価格は?
ミヤマはネルドリップ抽出のブレンドコーヒーとアメリカンコーヒーが各420円。カフェ・オーレは440円。他、紅茶やココアなどの定番に加え、「コーヒーゼリーのカフェオレフロート」なんてデザート感覚のドリンクもあり、値段としては一番高くてこちらの600円だ。
コメダもブレンド、アメリカンは420円。カフェオーレが440円、ミルクセーキやシェーク、バナナジュースなど、心惹かれるレトロな飲み物を中心としたその他のドリンクも、大体500円前後のものが多い。一番高いもので、ブレンド+小豆の「たっぷり小豆小町 ホイップで」の640円だろうか。
・金属マグのコーヒー
コメダといえば、金属のタルのようなコップ。氷が溶けにくく、冷たいものがキンキンに冷たく飲めるこの金属コップがお気に入りの人も多いのではないだろうか。コメダの冷たいコーヒーは一部を除き、大概この金属製マグで提供されるのが魅力。そんな金属のタル風コップが、実はミヤマにもある。
使われるのはアイスコーヒーと、カフェオレはなぜかBigサイズ(550円)のみだが。金属コップはいいとして、ミヤマがなぜコメダと同じタル型にこだわったのか……理由が是非とも知りたいところだ。
・その他のメニュー
フードメニューは、数こそコメダのほうが多いものの、大半が揚げ物などのスナック類のアレンジなのでミヤマにそれほどの劣勢を感じないのが正直なところ。サンドイッチやカツサンドなど王道の軽食、ドリアなど、昔の喫茶風のメニューという点での共通点は多い。
ミヤマの方がパスタの種類が豊富だったりと、オシャレさと洋食屋さんっぽさが強い印象。そしてデザートはコメダのシロノワールに対し、ミヤマの銀座ジェノワールは、コメダインスパイアからのブラッシュアップ感をふんわりと漂わせている。
・コンセント+フリーWi-Fi というミヤマの魅力
ミヤマは、フリーWi-Fiとコンセント付きの座席が多数。現代人にとって、充電コードはもはや “へその緒” 。それを繋ぐコンセントがなければ成り立たない生活となりつつある今、カウンター席にのみ備わっているお店は増えたが……ミヤマはなんとボックス席にもコンセントが付いているのがありがたい。ミヤマの7店舗に確認したところ、熊本の2店舗は全席に、その他の店舗も全体的にコンセント有りの席を多く用意しているようだ。
さらに、フリーWi-Fi。ミヤマのWi-Fiは、空メール送信で個別のパスワードが発行され、3時間無料で接続できるというもの。いわゆる街中のフリースポットよりもスイスイ繋がってとっても快適! コンセントはあるがWi-Fiがない、またはWi-Fiはフリーだがコンセント席が限られているというお店が大半ななか、コンセント+繋がりやすいフリーWi-Fi とは現代人には最高の空間だ。コメダに関しては、コンセント・Wi-Fiの導入は店舗ごとに異なるとの回答だった。
・【番外編】ミヤマ珈琲にマミヤ狂四郎を誘ってみた
さて、第一印象こそコメダの二番煎じ的な印象を与えてしまいがちなミヤマ珈琲に対して、自称 “パクリ(参照)のプロ” である漫画家、マミヤ狂四郎氏はどう感じるだろう? ミヤマ珈琲と似たような名前を持つ彼の感想は……?
「 カツサンドがマジでウマい。」
とにかく、カツサンドが気に入ったらしい。またマミヤ氏はミヤマ珈琲について、「世間のニーズに応えたら元を上回っちゃった。優しさのパロディだね」とも述べていた。まさに同感だ。
・結論:兄弟のように似ている
結論、コメダとミヤマは実際のサービスにも共通点がたくさんあった。それは「昔ながらの喫茶店」というコンセプトを母体とした結果なのかもしれない。そっくりだが、得意不得意が異なる兄弟のような印象を私は受けた。
総合的な快適さでは、私は「追加トースト」や「コンセント+フリーWi-Fi」などの “痒いところに手の届くサービス” を提供するミヤマに軍配を上げたい。今後も競合他社が良い刺激となり、今勢いを増しつつある「珈琲店」がさらに居心地のよい空間になっていくといいなぁ……と、密かに願っている。
参考リンク:コメダ珈琲店、ミヤマ珈琲
Report:DEBUNEKO
Photo:RocketNews24.
▼次回は「星乃珈琲に行ってみた!」 それにしても……看板似てるなあ……。
▼こちらはコメダのモーニング。トースト+ゆでたまごセット
▼こちらはミヤマのモーニング。
▼ミヤマではプチプラで気軽にちょこちょこと追加できるのがイイ。
▼喫茶店といえばナポリタン。(ミヤマ珈琲)
▼マジでウマいミヤマのカツサンド。
▼揚げたてでサックサクなのだ。
▼ヨーグルトと、追加トーストをプラスするマミヤ氏。ジャムトーストとバタートーストをそれぞれ堪能していた。
▼「やさしさのパロディだね」