読者の皆さんも、YouTubeなどの動画投稿サイトで一度は目にしたことがあるであろう『パクリ動画』。うっかり再生してしまった時のガッカリ感はハンパなく、時間を返せと呪いたくなる。
なぜこのようなパクリ動画が量産されるのか? また、どんな種類のパクリ動画が存在するのか? ということで今回は、アフィリエイト教材に300万円以上つぎ込んで痛い目を見た私(耕平)が、闇の部分まで暴露しよう!
・『パクリ動画』にはこれだけの種類があるぞ!
一概に「パクリ」と言っても概念は幅広い。なので、ここでは他人が作ったコンテンツを何も編集せず、そのままパクってYouTubeなどの動画投稿サイトにアップしているものに限定して説明しよう。
・テレビ番組を丸パクリ
有無も言わさず違法な動画である。人気のテレビ番組をスマホの動画機能で撮影したり、テレビが観られるパソコンから動画キャプチャソフトを使って録画し、その動画ファイルをそのままアップするなどの手法が有名だ。
パクリ動画の中でも極めて悪質なものだが、違法と知りながらこのような動画をアップしている輩が後を絶たない。その理由は他のパクリ動画に比べて、圧倒的に再生回数が稼げることにある。
事実、最近ではオリラジの『PERFECT HUMAN』 がこの記事の執筆時点で、公式チャンネルの動画の再生回数が1300万回以上と驚異的な数字だが、なんとパクリ動画の再生回数も一番多いもので300万回以上という、売れっ子YouTuberの動画でも難しい再生回数をわずか2週間足らずで叩きだしているのだ!
・映画やアニメを丸パクリ
これも言語道断な悪質極まりない動画である。もちろんYouTubeがこんな動画を放っておくことはなく、独自のシステムを使って、そのような動画をアップできないようにしたり、仮にアップできたとしても、即、削除できるよう対策を打っている。
それでもそのシステムの穴をかいくぐって、いまだ多くの作品がパクられてアップされている。出演者、スタッフ、制作会社などが一体となり、長時間かけて作り上げた作品が、完全に個人の利益に還元されてしまっているのである。
・WEBサイトからの丸パクリ
「〇〇が犯したあの事件の裏側の一部始終を暴露!」みたいな興味あるタイトルに惹かれて、再生したらどこかのニュースサイトで見たことがある記事のパクリでガッカリ……。そんな動画を見たことはないだろうか? これは業界用語で『テキスト系動画』と呼ばれるものである。
その手法はニュースサイトやブログなどにある記事から文章をすべてコピーし、Windows や Mac に標準装備されている動画編集ソフトなどを使い、BGMに乗せてコピーした文章を流していくもので、やり方を覚えてしまえば素人でも簡単に作成できてしまうことから、”パクリスト” の中でも有名な動画作成法だ。
・目的はやっぱり広告収入?
読者の皆さんも想像がつくと思うが、行き着くところは結論 ”金儲け” である。そして、その手段は ”広告収入” 。これは有名な話だが、それでは一体、どれくらい稼ぐことができるのかはご存じだろうか?
一説では、再生回数の10%程度が広告収入になると言われている。ということは先程、例に挙げたオリラジの『PERFECT HUMAN』のパクリ動画の再生回数は約300万回だったので、10%だとしても約30万円の広告収入が手に入るということか!?
しかし世の中そんなに甘くはなく、このような動画は削除されない場合でも、YouTube側が広告が出ないように処置をされているのが現状だ。だが、パクリ動画を使った金儲けの手法はそれだけじゃない。その先にはもっと深い闇と真実が待っていた……。続きは次ページ(その2)へGO!
Report:耕平
Photo:RocketNews24.
【金儲けの闇】YouTubeなどの動画投稿サイトにアップされている『パクリ動画』の真実を完全暴露(その2)
パクリ動画の目的として、もう一つあまり知られていない金儲けの手法がある。それはここまで書いた一連のやり方を『簡単にお金が儲かる教材』として、知識のない弱者を相手に高額で売りつける手法である。
そのカラクリを説明しよう。まずパクリで再生回数が集まる動画を作成し、動画の説明が記載してある欄に「YouTubeで簡単に金儲けができる方法を ”無料” で教えます。今すぐこのサイトからメールアドレスを登録!」などと うたってメルマガ登録ページに誘導。
メールアドレス登録後、メールが何通も送られてきて、最終的には無料とうたっているにも関わらず、「核心の部分は有料で販売します」とセールスされ、ついつい買わされてしまうのである。そして購入した人には、そのパクリ動画の方法で「この『簡単にお金が儲かる教材』を売れば、あなたに売上の数%が入りますよ!」と仕向けていく。まさに ”ネズミ講” だ!!
・我らが『ロケットニュース24』も餌食に!
これはハゲアタック(後編)でも話しているが、実は私(耕平)もその手に引っかかってしまい、このような教材を購入してしまった一人である。しかし実践するには至らなかった。というのも、ちょうどその頃、TVドラマなどを違法アップロードして利益を得ていた一般人16人が逮捕されたという衝撃的なニュースがあったからだ。
そんなある日、パソコンのフォルダを整理していたところ、忘れかけていたこの教材を発見。「こんなものも買ってしまったな……」と、なんとなく見直してみたところ、そこには驚愕の事実が! 何と前述で説明した『テキスト系動画』の作り方を「ロケットニュース24」を題材に解説している動画を発見してしまったのである!!
購入した当時の私は「ロケットニュース24」を知らず、この解説動画は記憶の断片にはあったものの、前述の逮捕劇のこともあり、完全にスルーしていたので、改めて衝撃を受けるとともに、怒りがこみ上げてきた!
私も過去に人のフンドシで相撲を取るようなギルティ(罪)を犯してしまったが、今では「ロケットニュース24」のいちライターだ。他の記者やライターの方々が1つの記事にどれくらいの時間と魂を込めてるかはわかっているつもりである。その記事が、いとも簡単に個人の金儲けの道具に利用されている……。
「これは許せん! あの人に報告だ!」
・怒りの ”MAD羽鳥” 現る
この件をまず一番最初に報告するべき人。そう、”地獄の交渉人” ことGO羽鳥である。私(耕平)は早速、この内容を羽鳥氏に以下のように伝えた。
そして、私が送ったURLから解説動画を見終わったのであろう……。羽鳥氏の最初の反応はこんな感じであった。
この反応が出たとき、パソコンの画面越しから、普段は温厚なGO羽鳥が ”MAD羽鳥” に変貌し、「怒りのデス・ロード」モードに切り変わったことを沸々と感じた。
そして、”MAD羽鳥” は私(耕平)にこう告げた。
羽鳥「主悪の根源は、知識のない弱者から金をとって悪いことを教える奴らだ! こうへい、一緒につぶすぞ!」
と……。そう、弱者の金銭的な弱みに付け込んで、明らかに違法な動画の作り方を教え、金儲けを続ける輩を、世の中にはびこらせるわけにはいかないのだ!!!!
最後に勘違いして欲しくないのだが、YouTubeの広告収入やアフィリエイト収入で稼ぐことは、そもそもビジネスモデルとして認められているわけで、決して悪いことではない。ただ問題はそこではなく、その手段が ”パクリ” であるということだ!
「人の褌(ふんどし)で相撲を取る」ようなビジネスは間違いなく、いつかしっぺ返しがくるということを私(耕平)もハゲアタックで痛いほど体験している。なので、今まで説明したパクリ動画を視聴した際には、その裏側を事前に理解して身につけることで、読者から犠牲者が出ないよう、十分注意をしてほしいと思う。
Report:耕平
Photo:RocketNews24.
▼オリラジの『PERFECT HUMAN』、【公式】と書いていないのがパクリ動画だ。
▼映画やアニメは主に東南アジアの国でその国の字幕付きでアップロードされているものを、パクってアップするケースが多い。
▼この手のWEB上の記事パクリ動画は早い人で5分あれば完成してしまうという。中には1日100本以上量産する強者もいるらしい……。
▼『ロケットニュース24』のパクリ方をレクチャーする動画。佐藤記者の記事が題材に挙がっていた。
▼それを私(耕平)から聞いた普段温厚な編集長、GO羽鳥が???
▼怒りの“MAD羽鳥”に変貌した! 「耕平! 悪をぶった切るぞ!」