たとえ一人の選手が恵まれた才能を持っていたとしても勝てないのが、チームスポーツである。選手の意思統一が図れていないと、いい結果が残せないこともしばしば。逆に個人が優れていなくとも、チームの連携で勝利をもぎ取ることも珍しくない。
一人がみんなのために、みんなが一人のために。間違いなくこの言葉はチームスポーツにおいて大切だ。そこで今回は、メジャーリーグで本当にあった「チームプレーの鏡とも言えるような素晴らしい連携」をご紹介したい。
・2011年の出来事
時は2011年5月19日。シカゴ・ホワイトソックス vs クリーブランド・インディアンスでそのスーパープレーは起きた。8−1と差が開いた8回、インディアンスの守備陣はゲッツー(2死)を奪うのだが、そのプレーがスゴかった。というのも……
・まるで手品のようなスーパープレー
動画「Cabrera makes an amazing play at short」では、ショートのアズドルバル・カブレラ選手に注目していただきたい。打球がピッチャーに当たり、コースが変わったことで彼は完全に逆を突かれてしまう。ところが!
何とか補球し、外野に打球が抜けるのを防いだカブレラ選手。通常であればこれで御の字。だが、彼は一瞬で体勢を整えていたら間に合わないことを察知したのだろう。なんとひざまずいたままバックハンドで二塁へ投げたのである!!
・これぞプロ
そしてセカンドがキャッチし、一塁に送球。見事にダブルプレーを呼び込んでみせた。絶望的な状況から起死回生のゲッツー。これは練習の賜物、そして仲間を信頼する気持ちが生んだプレーと言っても過言ではないだろう。
一瞬で最良の選択をして、最高のプレーをする姿はこれぞプロ。これぞ職人技とも言えるプレーは、ぜひ一度確認していただきたい。今季も開幕まで間もなく、はたしてどんなプレーで魅了してくれるのだろうか。今から野球のシーズンが楽しみだ。