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近年の健康志向からか、スポーツジムに通う人が増えているように思う。健康第一とはよく言ったもので、確かに健康は全ての根源であり、不健康とは比較にならないほど良いものである。だが一方で医学が進化し、食事制限だけでもある程度の健康は保てることも事実だ。

ではなぜ、男は筋トレに目覚めるのか? 言うまでもなく、筋肉隆々だからと言って偉いわけではないし、モテるとも限らない。それなのに何故……? そんな男の気持ちを、筋トレ歴15年以上の記者が解説したい。

・運動神経ゼロの小学校時代

小学校4年~6年までサッカー部だった記者。背が低く運動神経も悪かったので、17人ほどのサッカー部でも常に補欠であった。小6のときの運動会で、小3と小1の妹2人がリレーの選手で、お兄ちゃんはただ見守るだけ……だったのは、ちょっぴり切ない思い出である。

その後の中学・高校では部活にすら入らなかった。今思えば運動部に入っておくべきだったと後悔しているが、プロレスやフィギュアに熱中しオタク化しつつあった記者には、ハードルが非常に高かったのだ。

・ポッチャリ街道爆進の高校時代

運動はしないくせに、成長期な上、食べることも大好きだった記者はポッチャリ体型の階段を順調に登っていった。特に高校時代、通学路にあるミニストップに立ち寄ることは日課で、3年間で軽く見積もっても500個以上のソフトクリームを消費したことだろう。

小学生の頃は、運動神経がいいヤツがモテたり、カッコ良く見えるのはどの地域でも共通だと思うが、高校生にもなると「おもしろさ」や「頭の良さ」でもある程度はカバーできることに気付く。むしろ「運動に熱中してるヤツ = 単細胞」的な発想が、当時の筆者にはあった。

そんなナナメ目線を持ちながら高校を卒業。それなりに口が立った上、運も良かったので、先輩にも後輩にも友達にも恵まれた。「ちょいポッチャリのオモシロいヤツ」、当時の記者は周囲からそんな感じで見られていたように思う。だが “その時” は突然やってきた……!

・転機は突然やってきた

男ならば経験があると思うが、「力自慢たちによる腕相撲大会」は教室や飲みの場でちょいちょい開催される。腕力に自信がなかった記者は、大会が始まると静かに距離を取り、「こいつら本当に単純だな」くらいの気持ちで、いつもは眺めていた。そう、いつもは。

が、そのときは、あろうことか普段はイジり倒している後輩から「勝負しましょうよ」と挑戦状を叩きつけられてしまったのだ! あおりまくるオーディエンス。後輩は馬鹿力だから勝算は……ゼロ。結局このとき記者は、持ち前の口で何とかその場をごまかし、勝負に応じなかったのだ。

このときである。腕力なんて人それぞれだから、負けたって少しも恥ずかしくない。だがリングにさえ上がらずに、怯えながらハッタリだけで乗り切るのは恥ずかしい! 以来、記者はスポーツジムに通い始め、コツコツと筋トレを続けている。

・全ては自分の中のプライドのため

誤解して欲しくないのは、「腕相撲で勝ちたいから筋トレを始めた」のではなく、「どこかで怯える自分が情けなくなったから筋トレを始めた」ということ。きっと筋トレに目覚めた人も多くは、モテたい気持ちや健康のため以外にも、男としてのプライドを保つために筋トレをしているように思う。

もちろん、筋トレ以外にもプライドを保つ方法はいくらでもあり、人それぞれだろう。ただ、もし彼氏や旦那さんが突然 筋トレを始めたら、温かい気持ちで見守ってあげてほしい。

執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.