地球の最果て・海と氷……それが北極だ。おそらく「北極に行ったことがある!」という人は滅多にいないだろうが、今回は1枚の写真を見て、北極に関するクイズにお答えいただきたい。
クイズの内容は至ってシンプル。「この写真を見ておおよその時間を当てて下さい」というものである。北極に関するあらゆる知識をフル活用して問題を解いてみよう。
・出題は北極冒険家の「荻田泰永氏」
ここに1枚の写真がある。問題はこうだ。
「北極点を目指してあなたは歩いています。さて、この写真を見て、今だいたい何時ごろでしょうか?」
1:午前9時
2:お昼
3:午後3時
4:真夜中
このクイズを出題しているのは、北極を一人で冒険する荻田泰永氏。これまで毎年のように北極を訪れている荻田氏による正解の解説には、思わず「なるほど」と納得するに違いない。頭をひねりまくって考えたら、正解と荻田氏の解説がある次ページへGOだ!
執筆:P.K.サンジュン
Photo:荻田泰永, used with permission
【サバイバルクイズ】「北極点を目指してあなたは歩いています。いま何時頃か写真を見て当てて下さい」(解説と答え)
・荻田氏による解説
- 時刻を判断するポイントは “太陽の位置”
- 「写真の位置に太陽が来るのは何時なのか?」がわかれば良い
- 北極点を目指して歩いているということは、歩いている方向が「北」
- 今回の写真では、後ろを向いて右側から太陽が差していることが影の位置からもわかる
- ところで、北極のように極地での太陽は、日本のように頭の上まで上がらず、水平線から近い低高度を横移動する
- つまり極地の太陽は、「360度を24時間かけて一周する時計」ということになる
- もうひとつ大切なことが南中。太陽は必ず真昼に真南に来る
- 昼に「真南」に来た白夜の太陽は、真夜中に「真北」に移動する。午前6時には「真東」、午後6時には「真西」だ
この荻田氏のヒントを元に、写真を改めて見てみると、太陽の位置はソリに対して右後方、つまり、北に向かっている自分の進行方向の左後方にあり、太陽が南西に位置することが分かる。南西は、真南よりも45度太陽が進んだところであり、45度は太陽3時間分の動きだ。南中する真昼から3時間進んだところに太陽があるということは……
正解は3番の「午後3時」!
ざっと図に起こすとこんな感じだ。
荻田氏によれば、今回の問題は北極クイズ初級ということである。しかし、北に進んでいることと、太陽の位置がわかっても、太陽が南中することを知らなければ答えは出ない。もし北極に出かけることになったら、ぜひこの知識をフル活用して時間を導き出してみよう。おっと、時計を見るのは粋じゃないぞ!!
参考リンク:荻田泰永 ブログ
執筆:P.K.サンジュン
Photo:荻田泰永, used with permission