美味しいカレーを求めてさまよい歩く、カレー探求。今回は、都会の真ん中にある老舗とんかつ店を紹介したいと思う。ここ、「王ろじ」は東京・新宿の伊勢丹のすぐそばにある。繁華街のど真ん中のような場所にあるのだが、その歴史は古く、なんと大正10年(1921年)創業の老舗中の老舗。
日本のとんかつ発祥のひとつ(諸説あり)として数えられる名店。このお店、カツカレーのことをちょっと変わった呼び方をしている。メニューを見ると「とん丼」と記されているじゃないか。カツ丼? いや、とん丼である。長年愛される味をたしかめてみたぞ。
・タイミングが大事
ここは、新宿の美味しい店として良く知られている。したがって昼時は満席になり、入店待ちをすることも珍しくない。私(佐藤)が訪ねた日は、意外にもすんなりと入れた。おそらく、12時からの1回戦目がひと段落し、2回戦目に突入する合間だったらしい。
・12分程かかります
満席になるのも無理はない。ここの分厚いとんかつが揚がるのには、少々時間がかかる。メニューには「12分程時間がかかります」と書いてある。実際にオーダーしたところ、やはりそのくらいの時間がかかった。その間もお客さんはひっきりなしに、暖簾をくぐってくる。美味しいとんかつを求める人が、続々と足を運んでいるのだ。
・専用の器
人気メニューのとん丼(1000円)を注文して、待つこと約10分。丼のような器に入ってやって来た! ちょっと話が逸れるが、この器は丼ではないようだ。下皿の上に丼が乗っているのかと思ったら、皿と丼がくっついていて離れない。とん丼専用の入れ物なのではないだろうか。
・衣の壁、その向こうには……
豚ロースをギュッと丸くして、衣をつけて揚げる。筒状のカツを斜めにカットして提供するのが王ろじ流。実際に食べてみると、衣のサクサク感がハンパではない! まるで中の肉を守る堅牢な壁のようだ。当然守られているのは、肉と肉の旨味。ひとたびその壁をぶち破ると、向こうには楽園が広がっている。
・ジワリジワリと肉汁が
柔らかくジューシーなカツからは、肉汁がジワリジワリと染み出してくる。見ているだけで、気持ち良くなってしまいそうだ。食えば当然気持ちE! おいC!! カツにかかった濃厚なソースの酸味が、肉の甘さを引き出しているようだ。たまんねえなあ! ちなみにカレーは肉のほのかな甘さとは裏腹に、ピリリと辛い。これが舌を刺激して、よりウマさを際立たせている気さえする。
・カツに夢中になり過ぎないこと
なお、カツに夢中になり過ぎていると、カレーとご飯がゴッソリと残ってしまう。カツをかじりつつカレーを食べ進めないと、器が何だか寂しい感じになってしまうので注意。
もしもとん丼を食べるのなら、とん汁(450円)を注文するのも忘れないようにしよう。王ろじ初心者の私は頼み忘れてしまったのだが、常連さんも漏れなく とん丼+とん汁 をオーダーしていた。この組み合わせが最強であることは、常連さんの食べっぷりを見ていてわかったぞ。
・今回訪問した店舗の情報
店名 王ろじ
住所 東京都新宿区新宿3-17-21
営業時間 11:00~15:00 16:30~20:30
定休日 水曜日
Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24.
▼こちらはとんかつセット(1750円)
▼かつの旨さを堪能するなら、こっちかも
▼オーダーごとに、豚バラベーコンとタマネギを炒めて作るという、とん汁も見逃せない