年々勢いを増しているアニメ。もはや深夜アニメを見ているのは普通らしい。私(中澤)が学生の頃は、深夜アニメファンだということが知られたら問答無用で「キモい」のレッテルを貼られ、スクールカースト最下層まで突き落とされていた。さながら魔女狩りか踏み絵という感じ。そんな暗黒時代を過ごしてきた私にとって、今の状況はにわかには信じられない。
いい時代になったものだが、アニメを見ないという人もいることだろう。もったいないったらありゃしない。そこでアニメ歴15年以上の私が、「これを見ないのは人生損してる」という珠玉の作品を5つ厳選。アニメを見ないあなたにこそ胸を張ってご紹介しよう!
・Steins;Gate(シュタインズゲート)
胸のすくような痛快さを感じるのが『Steins;Gate』。厨二病全開の大学生・岡部倫太郎が主人公の本作。ある日、岡部がリーダーを務める総勢3人の小さな発明サークル「未来ガジェット研究所」が、まぐれでタイムマシーンを発明したことから物語が回り出す。
現実社会から目をそむけているだけだった岡部が、企業と敵対し、天才科学者を巻き込んで世界を変えようとする。これぞエンターテイメントというストーリーの流れは、誰もが拳を握りしめることだろう。
・カウボーイビバップ
外国映画を彷彿とさせるようなスタイリッシュな演出で、海外評価も高い作品が『カウボーイビバップ』だ。近未来の宇宙を舞台にした本作は、宇宙を股にかける賞金稼ぎスパイク・スピーゲルの日々を描いた全26話。超絶オシャレでハイスピードに展開される “すっとこどっこい” にクスりとしながらも、ハードボイルドな描写と仲間たちとの絆に大人の男の美学を感じる。
ちなみにこの作品は、私が「もっとアニメを知りたい」と思うキッカケとなった作品だ。『ルパン三世』好きならぜひ。
・PLANETES(プラネテス)
とにかく熱い涙を流したいなら『PLANETES』。人類が宇宙に進出し始めた近未来、長年の宇宙開発で生まれたスペースデブリ(宇宙空間のゴミ)の回収を生業(なりわい)とする「デブリ課」の日々を描いたのが本作だ。
主人公たちが仕事を通して出会う人との関わりの中で、さまざまな問題が浮き彫りになる。そしてその問題を壁にぶつかりながらも乗り越えていく姿を見ているうちに、気づけばデブリ課の面々と共に涙を流している自分がいる。原作である漫画も名作だが、アニメはアニメでとても良い出来だ。全26話。
・とらドラ!
青春の美しく切ない微妙さを何よりもうまく表現したのが『とらドラ!』。本作は、目つきの悪さでヤンキーとして見られがちだが、実は真面目な高校生・高須竜児が主人公のドタバタラブコメ。学園の行事ごとに微妙に変化していくキャラたちの関係性や、だんだんと明らかになっていく感情の丁寧な描写は素晴らしい。その一言に尽きる。
そして常に視聴者を飽きさせない起伏に富んだ展開、それに合わせて入ってくる BGM や ED のタイミングが絶妙。私は4周見ているが、毎回、文化祭とバレンタインと最終回は泣いてしまう。正直、本作9話以降の流れに勝てるラブコメはないと思う。全25話。
・うる星やつら2 ビューティフルドリーマー
浮気者の諸星あたると彼に恋する宇宙人・ラムのドタバタラブコメ『うる星やつら』。この作品は80年代の大ヒット学園ラブコメとして有名だが、その中でも劇場版オリジナル2作目である『ビューティフルドリーマー』は名作中の名作だ。
原作のてんやわんやを生かしつつ、夢と現実の間を行き来するデジャブのような世界感は、もはやアートである。監督は実写映画監督など、さまざまな分野で独自の才能を発揮する押井守氏。そのためか、カメラワークが他のアニメ監督と違うのも面白い。
……以上である。アニメを見ないあなたも、上記の紹介を読んで少しでも興味を持ってくれていたら嬉しいぞ!
執筆:中澤星児
Photo:RocketNews24.