秋の気配に意気消沈している佐藤です。秋は苦手です。特に夕暮れ時のさみしさと言ったら、童心を忘れたオッサンさえもセンチメンタルにしてしまうほど切なく、胸を締め付けられるようです。
最近私は、「大江戸ビール祭り2015」というイベントに行った。この催しが予想外に盛り上がっており、1人ぼっちの私は異常なまでのさみしさに襲われたのだ。しかし! 1人だったはずの私は、いつの間にか初対面の人たちと仲良くなり、なぜか外国人とカンパーイ! 状態に。やっぱお酒の力ってスゲエなあ~!!
・早々と酔っぱらう
私はこの会場で、8杯のビールを飲んでいた。小サイズのカップだったとはいえ、それだけ飲むとなかなかいい塩梅で酔ってしまう。実のところ、ここに来る前にすでに中ジョッキでビール1杯飲んでいたのだ。大した時間を待たずに、酔っ払いの完成。
・ぼっちじゃなくなった!
とはいえ、酔いが進むにつれて、周りのにぎやかさがより楽しそうに見えてきて仕方がない。自分は酔ってるのに独りぼっち……。ぼっちにとって酔っぱらうことほど、さみしさを増長するものはない。ああ、これ飲んで帰るか……。そう思った矢先に男性2人が「佐藤さんですよね!」と声をかけてくれたのだ。うれP! ぼっちじゃなくなった、めっちゃうれP!!
・さらに外国人3人合流
改めて3人で飲みなおすことに。それからほどなくして、さらに異変が! 我々の座っているテーブルに外国人男性3人が来た。「ここは空いてる?」みたいなことを英語で話しかけてきたところ、先に合流していた2人が、「OK! OK!」と熱烈歓迎。かくして、初対面の6人で飲むことに。
・明日イギリスへ帰る!?
外国人の彼らはイギリスから来たそうだ。3週間の日本旅行を終えて、明日羽田空港から飛び立つという……。明日!? お前ら明日帰んの!? ここで飲んでていいの? そんなことを一瞬心配したのだが、お互いご機嫌になってしまい、心配は吹き飛んだ。
・楽しい旅の思い出
彼らは今回の旅行で、大阪・福岡・長崎・鹿児島を観光したという。何が一番よかった? と尋ねると、「とにかくみんな優しかった。どこへ行っても楽しかったよ」と話す。喜んでもらえて何よりだ。写真を見せてもらうと、博多・中洲まつりの女神輿や大阪のネオン街など、にぎやかな道中の様子が伺える。ちなみに彼らは24~25歳の若者。気の合う3人で旅するのには、一番楽しい年ごろかもしれない。
・唯一話した日本語
アレやコレやと脈略なく話していると、3人のうちでもっとも陽気な男、ファーガス君が突然日本語を話した。おそらく、自分が知っている日本語を披露しようと思ったのだろう。彼はこう言った。
「アネエサンキレイデスネ」
うん? 一瞬何のことかわからなかったのだが、彼は何度も言いなおす。どうやら言いたいことがしっくりと来ていないらしい。
「アネサンキレイデスネ」
わかった! 言いたいことは、「お姉さん、キレイですね」だ。どこでそんな言葉を習ったのか、ベタな口説き文句を教わったようである。まさかそんな言葉をここで聞くことになるとは。そもそも私は1人でさみしさにしょぼくれて、とっとと帰る予定だったのだが。
・イギリスで会おう
彼らは無事にイギリスに帰ったのだろうか。たった一度の出会いだったけど、また会えることに期待して、「今後はイギリスで飲もう」、そう約束しておいた。ファーガス君、次はもう少しマシな日本語をお教えするよ。
Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24.
▼イギリスから来て、この日の翌日に帰る予定だった仲良し3人組
▼ひげ面だけど、優しい目をしたジョージ
▼控えめで穏やかに話すマイク
▼茶目っ気たっぷり、愛嬌たっぷりのファーガス。まさかこんな形で紹介されてるとは、思ってもみないだろうな~
▼彼らが撮影した写真で、もっとも興味深かったのが、マンホールのフタだ