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台湾中部のひなびた田舎町・彰化。駅から歩いて20分の小高い八卦山の裏手に、主張することなくひっそりとたたずむ、隠れたローカル・スーパーアトラクション。その名も「南天宮十八地獄」がある!

アジア各地に点在する「地獄」を模した仏教系キワモノ・テーマパークの中でも、群を抜いた完成度と「恐怖感」でその筋のマニアから絶大な支持を集める有名スポットだ。

うすら寒い日々が続いているが、コタツで食べるアイスのように、寒い日の地獄もまた格別。LCCを使えば国内テーマパークに行くより安いぞーっ!

・大仏のたもとに恐怖の十八地獄が!

台北からわずか2時間の彰化県。風にゆれるヤシの木が南国ムード満点の彰化駅から、商店街をだらだら歩き、八卦山の参道をヒーヒー言いながら登り切ると、この町のランドマーク、全長20メートル超の巨大な「大仏」が頂上から町を見下ろしている。

その大仏のすぐ脇に「南天宮十八地獄」なるホラースポットがあると聞いたわけだが、露店のおばさんに「十八地獄」と書いた紙を見せても、ハァ?と怪訝顔。ところがその数秒後、思い直したかのように、そういえばそんなものもあったわ……的な顔で道を教えてくれた。

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・サモ・ハンが掃き掃除してそうな寺が……

大仏から歩いて3分。「南天宮」と看板の出た建物の脇を曲がり、寂しい路地に入る。ここからが長く、右行って左行って、急な階段を下りてまた右行って……みたいな感じで、罠か!? と怖くなってきた頃、昔のカンフー映画の中に迷い込んだような古びた寺院「南天宮」がジャジャ〜ン!と登場。

がらーんとした建物の入り口で、もぎりの老婆に維持費の50元を渡し上階へ。原色系ペイントの恐ろしげな魔物の口の中に入ってゆく……。さながら場末の化物屋敷。しかもこの地獄「全部電動」という看板の文字通り、カックン、カックン、情けない音を出しながら、これがとにかくよく動く……。

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・地の底のイッツ・ア・スモールワールド!

暗闇のなか、誰かが近づくとセンサーで人形が動き出す。人形もギミックもじわじわしょぼいが、モーターや空気圧など様々な仕掛けで動きまくり、よく手入れされている。おまけに、ここが重要だが宗教テーマパークにありがちな説教臭さゼロ。東洋一、エンタテイメントに徹した地獄パークなのだ!

外から見るとただの寺、だが中味はまごうことなき化け物屋敷。そのギャップもたまらないが、「全部電動」の名に恥じない見応え。そこで短いムービーをご用意した。皆さんもぜひ、南天宮の魅力の片鱗だけでも追体験いただきたい。

・今回ご紹介した施設の詳細データ

施設名 南天宮十八層地獄
住所 台湾彰化縣彰化市公園路一段187巷12號
休日 無休?

Report : クーロン黒沢
Photo : Rocketnews24.

▼ムービーはこちら!

▼あったあった、これが南天宮か!
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▼おや、こっちか……
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▼漢字が読めない外国人は全くわからんだろうな
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▼まっ……まだか!
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▼えーっ!? どこまで連れて行く気だ!
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▼ようやく着いた南天宮。ひなびて素敵な建物だった
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▼これぞ地獄の門? 子供が見たら人生変わっちゃいそう
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▼さらに上の階には……
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▼ほとんどお化け屋敷ノリだった
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