「立ち食い」というと、どこか煩雑なイメージを抱いてしまう。安くて早いが身上で、美味しいものを期待できないのが正直なところだ。しかし実際はそうではないこともある。たとえば、東京・新宿の「立ち喰い焼肉治郎丸」は1枚からオーダー可能で上質の肉も割安で提供している。
・立ち食い寿司の老舗
東京・五反田の「都々井」もまた、立ち食いながら良質なネタを提供してくれる寿司屋なのである。私(佐藤)は随分前からお店の存在を知っていたのだが、ずっと入ったことがなかった。最近利用したところ、ここが長らく愛されるお店である理由が良くわかった。立ち食いと侮るのは間違いであると、痛烈に反省した次第である。
・駅からすぐ
お店はJR五反田駅の東口を出てすぐのところにある。というか、もう駅と合体していると言っても良いくらいだ。駅前陸橋の真下にあり、仕事帰りのお父さんがフラリと立ち寄るのに打ってつけの好立地。ここで20年以上営業を続けているそうだ。
・しゃり自慢
お店の看板にはデカデカと「しゃり自慢」と書かれている。普通、寿司屋なら「ネタ自慢」と言いたいところではないだろうか。そこを「しゃり」とするところが何だかユニーク。実際に食べてみると、しゃりもウマいがネタもウマい。立ち食いにしては、少し高い印象はあるが、着座の寿司屋と比べると断然お得で美味しい。
・カウンターに手洗い
このお店にはもうひとつ変わった特徴がある。それはカウンターに流しがついているところだ。蛇口のようなものも付いているので、てっきりお茶用の熱湯が出てくるのかと思いきや、これは手洗いである。間違って湯呑みを差し出してしまいそうになるが、お茶用ではないので注意。
・回転すしとは比にならない
それにしてもネタがとても良い。この日、私が食べたのはブリ・えんがわ・いか、それに、アジ・ウニ・つぶ貝である。いずれも2貫付けで200~500円。ネタは比較的大ぶりで、価格の割りにお得感が高い。到底回転すしではお目にかかることができないほどのクオリティだ。しかもモノによっては熟成させてあり、ただ「新鮮」だけを売りにしている店とは訳が違う。
もしも最寄り駅に店があったら、2日に一回暖簾をくぐるかもしれない。五反田界隈に行ったら、ぜひとも寄りたいお店である。先入観で店を判断してはいけないということを学んだ。
・今回訪問した店舗の情報
店名 すし処 都々井
住所 東京都品川区東五反田1-26-2
営業時間 月~土曜日11:30~1:00、祝日11:30~14:00 15:00~22:30
定休日 日曜日
Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24