今まで、何人もの日本人中学生の視線を地図帳に釘付けにしてきたスケベニンゲン。日本では一般的に「スケベニンゲン」で知られているオランダの地名だが、現地の正しい発音をカタカナにすると「スケーベニンゲン」であることは、先日の記事でお伝えした通りだ。
それでは、そんなスケーベニンゲンで「一番スケベな人」は一体誰なのか? ……今回のオランダの旅で、私はスケーベニンゲンを調査してきたので、レポートしたい。出会ったNo.1 のスケベは……まさに真のプロフェッショナルだった!
・そもそもどうやって探すのか?
問題は、「どうやってスケーベニンゲンで “一番スケベな人” を探すのか?」である。スケーベニンゲンに知り合いがいるならともかく、私は現地にツテなど全くない。ただのスケベなら知り合いにいっぱいいるが……。
かといって、地元の旅行ガイドに「スケーベニンゲンで “一番スケベな人を探すプロジェクト” に協力して下さい」と依頼するのも気が引けるし、出会った現地の人に「あなたはスケーベニンゲンで一番スケベか?」と聞くのもハードルが高い。
う〜ん、どうすりゃいいんだ!? ……と散々悩んだ挙げ句、私がとった手段は「I’m looking for the most erotic guy in Scheveningen」(私は、スケーベニンゲンで一番エロい人を探しています)と書いたノートを持って立つことだった。
ノートを見た人が、「ハハハ、俺は1人知っているぞ〜」なんて感じで、声をかけてくれることを狙ったのである。
「散々悩んでそれかよ!」と言いたい気持ち、よ〜く分かる。ヒジョーによく分かるが、現地に何のコネもない私がプロジェクトを遂行するために選べる手段は、これくらいしかなかったのだ。
・スケーベニンゲンの高級ホテルの前で立ってみた
実際に私がノートを持って立ったのは、『クールハウス』という名の高級ホテルの前。これでもかというほどセレブ感あふれる外観を持つ、スケーベニンゲンのシンボル的なホテルだ。
立ち始めると、強烈な羞恥心が襲ってきた。……が、そのノートを見た多くの人は「なんかユニークなことしているな」的な視線で、軽くニコッ。……よかった〜! 通り過ぎる人々は、ノートに大ウケすることなく、完全に無視することもない。その温かい(?)反応のおかげで、ムチャクチャ助けられた。
・スケーベニンゲンの人たちは紳士的
しかし! 肝心のスケベがいないのである。これは「“Scheveningen” の正しい発音を教えてもらった時」にも感じたことだが、スケーベニンゲンの人たちは、紳士的で親切。エロさなど、微塵も感じられない。そのため、スケベな人に遭遇できそうな気配はゼロ。ただ恥ずかしいだけだ。
・ノートのメッセージをチェンジ
仕方がない。私はノートの文言を書き換えることにした。そもそも最初から「一番エロいヤツ」を狙うのが、高望みなのなのだろうか? それよりも とりあえず、そこそこのスケベに接触して、そこから広げていく方がいいのかもしれない。
「I’m looking for a sexy bastard in Scheveningen」(私は、スケーベニンゲンのスケベ野郎を探しています)で、どや! スケベ野郎、出てこいや!!
すると……その文言チェンジが効果あったのかどうかは不明だが、1人の男性が近づいて来た! 続きは、次のページ(2ページ目)だ。
Report:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.
オランダのスケベニンゲンで「一番スケベな人」を探してみた / 出会ったのは “レベルが違う” 真のプロ!(その2)
・最初の手かがり
もしかして、彼がスケベなのだろうか? それとも、こんなフレーズを書いたノートを持っていたために、変なお誘いをしてくるのではないだろうか? 私は思わず目を伏せた。
「ここで探すよりも、コーヒーショップとかバーに行った方が見つかりやすいよ」
……え!? 男性は笑顔でそう言っている。……つまり、その男性自身がスケベというワケではなく、変なお誘いをするためでもなく、わざわざ教えてくれるために私に近づいて来たのである。なんて優しい人!
とにかく助かった! 男性のアドバイスを素直に聞き、私はコーヒーショップへ行ってみることにした。
・3つの場所を教えてもらう
コーヒーショップがどのような場所なのか? というネタは後日取り上げることにして、要点だけ言いたい。店内にいる人たちに聞くことで、3つのスケベ御用達スポット情報をゲットしたのだ。
・1つ目の場所は個室でトランプする店
3つの場所のうち、1つ目はいわゆる「飾り窓」と呼ばれるエリア。「飾り窓」といえば、オランダの首都・アムステルダムが有名だが、スケーベニンゲンがあるデン・ハーグにも小規模ながら存在する。「飾り窓が何なのか、全然分かりません」という人は、“女性と個室でトランプする店” くらいに理解しておけばOKだ。
そこで、私はそのエリアまで行ってみた。確かに、ここに通う人はバリバリの「スケベ」だろう。でも、でも……ガチ過ぎて掲載できない。それどころか、カメラを出すとヤバいことになりそうな雰囲気がプンプンしている。
ということで、トラブルを避けるため、そのエリアは撮影していない。ただ、「デン・ハーグHS駅」から歩いてすぐの場所にある、とだけ記しておこう。
・2つ目はマフィアが運営!?
そして、2つ目は「M」という店。ここも「飾り窓地区」と同じように “女性とトランプ” する場所のようだが、やや激し目のトランプのようだ。飾り窓がババ抜きなら、「M」はスピード。しかも、コーヒーショップで聞いたところによると、店の運営にはマフィアが一枚噛んでいるとかなんとか。とにかく、撮影絶対不可! 殺されるわ!
何より、「飾り窓地区」も「M」もスケーベニンゲンに近い場所にあるが、厳密にはスケーベニンゲン区内ではない。だから、「スケーベニンゲンで一番スケベな人を探す」という本来の主旨からは逸れてしまう。
・条件を満たした3つ目の店
だがしかし! 3つ目の場所は、スケーベニンゲンの中という条件を完璧に満たしていた。さらに店のジャンル的にもギリギリで掲載できそう。これはいける! 教えてもらった2つの場所がガチ過ぎて途方に暮れていた私は、すぐにトラム(路面電車)に飛び乗った。
やがて……見えてきたのだ。ピンク色に光る『erotic shop』(エロティック・ショップ)のネオンが!
ようやくここまで辿り着いた。スケーベニンゲンで最高のスケベはこの中にいるはずだ。そう確信した私は店内に潜入。そこで……1人の紳士に出会ったのである。一体どんな人なのか? 次のページ(3ページ目)で明らかになるぞ。
Report:和才雄一郎
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オランダのスケベニンゲンで「一番スケベな人」を探してみた / 出会ったのは “レベルが違う” 真のプロ!(その3)
・アレな店
『erotic shop』の店内は、お世辞にも広いとは言えない。売り場スペースは6畳あるか ないかといったところだろうか。その中は、アレなグッズがアレしており、どう考えてもアレ目的で店を訪れる人たちが、アレする場所になっている。
・40年以上続く老舗
そんなアレな『erotic shop』の中で、年配の男性を発見した。名前を聞くと、Fさんだという。Fさんはお客さんではなく、店の主。後で分かったことだが、豊富な商品知識を持つ、真のプロだった。
そしてFさんによると、『erotic shop』は、この場所で40年以上営業しているらしい。つまり、40年以上「スケーベニンゲン」のスケベにアレなグッズを提供する “老舗” ということになる。それだけ需要があったということは、つまりスケーベニンゲンでは……余計な想像はやめておこう。
・ハンパない商品知識
店を守るFさんは、一見どこにでもいる男性。話す口調は穏やかで、怪しいところは全く感じられない。しかし、ひとたび私が商品について質問すると……プロフェッショナルな姿を見せてくれたのだ。
「これは●●●●というヤツで、●●●●に入れるんだ。慣れてないと●●●●かもしれないが、焦るんじゃない。少しずつ●●●●していくからな。それから、電池は別売りだ。あと、こいつを使う場合は、●●●●もセットで買うと〜〜〜」
(※高度な政治的判断に基づき、一部を伏せ字にしております。ご不便をおかけして申し訳ありません)
……このように、ハンパない商品知識と親切心をフルに発揮し、アドバイスをくれたのである。きっとFさんは、長年このようにしてスケーベニンゲンのスケベ達に助言してきたに違いない。
・重厚な雰囲気のFさん
日本でスケベオヤジというと、「デッヘッヘッヘッヘッヘッヘッヘ〜〜〜」とニヤニヤしながらアダルトサイトを見ている人や、女性社員のお尻をペロ〜〜ンとするような、セクハラ上司を想像する人が多いだろう。
だが、Fさんにそのような軽薄さはない。むしろ、重厚な雰囲気。いや、頑固な職人肌と言えばいいだろうか。しかしそれが逆に、底知れないレベルの高さを感じさせる。……この人や! ようやく出会ったぞ!
・勝手に認定
ということで、Fさんのプロフェッナルな姿勢に敬意を込めて、ロケットニュース24では、Fさんをスケーベニンゲンで一番のスケベと勝手に認定したい。正確には、Fさん自身がスケベと言うより、スケーベニンゲンのスケベを長年導いてきた伝道師なのだが、細かいことはいいだろう。
・Fさんに感謝
さらに、Fさんは『erotic shop』の店員として優秀なだけではなく、人間的にもおおらかな方のようで、店内の写真撮影もOKしてくれたぞ。その画像は、次のページ(4ページ目)で確認可能だ。
最後に。Fさん、親切なアドバイスをありがとう! 店内の写真撮影も快諾してくれて、ありがとう! そして何より、素晴らしい旅の思い出をありがとう!!
Report:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.
オランダのスケベニンゲンで「一番スケベな人」を探してみた / 出会ったのは “レベルが違う” 真のプロ!(その4)
※編集部内での連日連夜に及ぶ激論の結果、混迷する世界情勢を考慮して、以下の画像にモザイク処理を施しています。再びご不便をおかけして申し訳ありません。
▼ショーケースの中に革製品と金属製品が陳列されている
▼時代劇に出てくる十手(じって)のような形状のもの
▼上と同じ形状だが、こちらはビッグサイズ。破壊の剣
▼野球のグローブのような形状だが、これでキャッチボールは恐らくできない
▼ビニールと金属で作られたマスク的なもの
▼ムチと首輪など。一種の「飼育セット」
▼上の棚は、いわゆる「オランダ妻」的な商品。空気注入前
▼店の品揃えは豊富
▼日本の製品も発見! 世界中のアレなグッズが集まっているもよう
▼そんな最強ショップを守るFさんは「真のプロ」だ!
Report:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.