2月14日は聖バレンタインデーである。学生の頃、100%あるハズがないのに机の中をチラリと覗いてみたり、下校時間をいつもより若干遅らせてみたりしたのはホロ苦すぎる超ビターな思い出である。
とはいえ筆者のような既婚者でも、バレンタインは若干ソワソワするもの……どうせもらえねーけど! 知ってる!! 知りすぎているッ!! というわけで「だったら作ってやろうじゃないの!」と決意し、自分だけのために手作りチョコを作ってみたら2つの教訓を得たのでご報告したい。
・カカオ豆すら見たことがない
どんなチョコを作ろうか迷っていると、都内の雑貨屋で『カカオ豆から手作りチョコレートキット』なる商品を発見……。調べてみると「ダリケー株式会社」というメーカーの商品らしい。カカオ豆からチョコレート作るなんて素敵やん! と今回はこのキットでチョコを作ることにした。
そもそも、実物のカカオ豆すら見たことがない筆者ではあるが、説明書を読む限りではそこまで難易度は高くない。むしろ単純である。だがしかし……! まさか4時間近くもキッチンにへばり付くことになろうとは、このときは知る由もなかったのである……。
・順調な作業
初めて見たカカオ豆は、アーモンドを色濃くしたようなビジュアル。うむ、豆である。まずはカカオ豆を洗うところから料理スタート。米を研ぐようにこすり合わせていくと、意外と汚れが出てくる。何回か水を変えつつカカオ豆を洗い終えたら、キッチンペーパーを使い水気をしっかりと切れば準備OKだ。
次にフライパンを使ってカカオ豆を焙煎する。弱火でじっくりと火を通していくと、チョコレート独特の甘い香りがしてくる……! ロマンティックな魅惑の香りにクラクラしつつ、焙煎した豆の皮をむきフードプロセッサーに放り込んでスイッチオン。ここまではかかった時間は1時間弱。もう半分作業が終わったような気がしていたのだが……。
・問題発生
さらに細かくなったカカオ豆をすり鉢で潰していく。手首が痛くなる作業ではあるものの、そこまできつくはない。問題はすり鉢ごと鍋に移し湯煎していく工程である。説明書ではチョコレートがトロリと溶け出し、あとは砂糖を混ぜて冷やすだけなのだが……溶けないのだ、チョコレートが全く持って溶けないのだ……!
いくら熱しようと溶けださないチョコレート。湯気でしっとりはしているものの、汗をかく程度で溶けてはいない。見た目はコーヒーフィルターに残された絞りカスのようである……。そこから何度お湯を継ぎ足したことだろう? どこでどう間違えたかはわからないが、熱しようが混ぜようがチョコが溶ける気配は全くない……。
熱し始め2時間ほどが経過したとき、筆者の中で何かが壊れた……。強制的に砂糖を投入し、ザックリと混ぜ合わせ専用の型に詰め込み冷蔵庫に押し込んだ! 飽きた!! 溶けないチョコを溶かすのに飽きてしまったッ!! なんでチョコなのに溶けないんだよ!
・2つの感謝
冷蔵庫で固まったチョコをブチギレながら食べてみると……あ、結構ウマい。砂糖とカカオ豆のザクザクした食感が悪くない。4時間かけた価値があるかどうかは別にして、カカオ豆の風味が強い大人向きの味わい深いチョコであった。
普段は何気なく食べているチョコレートだが、カカオ豆からのチョコ作りを経験し「チョコレートメーカーに頭の下がる思い」である。また、結構な量のカカオ豆からも少量しかチョコレートを作れないことも知り、「カカオ豆原産国の人に感謝の気持ち」を持つようになった。興味のある人は一度経験してもいいと思う……。4時間かかるかもしれないけど。
参考リンク:ダリケー株式会社
Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.
▼こちらがキットの中身。豆と説明書とカカオ豆が入っている。あとは砂糖を用意すればOKだ。
▼カカオ豆を洗うと結構汚れが出てくる。何度か水を変えつつ洗う。
▼水気をきったカカオ豆を弱火で焙煎する。甘いチョコレートの香りがしてくるぞ。
▼冷ましてから皮をむく。順調!
▼フードプロセッサーで細かくする。ない人はダイレクトにすり鉢でもOK。
▼さらにすり鉢で細かくしていく……。ここまでは快調!
▼がー、いくら熱しても溶けないチョコレート……。何度もお湯をつぎ足し、2時間近くが経過……。
▼でも溶けないのでブチギレて砂糖を強制投入! 知るか!!
▼ざっくり混ぜ合わせて型へ。
▼冷蔵庫で冷やす。
▼半ギレだったが、味は良かった。
▼この量のカカオ豆から……
▼これしかチョコレートが作れないなんて! カカオ豆原産国の人ー! ありがとうございますーー!!
▼チョコレートメーカーにも感謝するようになった。興味がある人は試してみよう。