【NASA降臨】「ケプラー宇宙望遠鏡」のスタッフがネット上で質問を募集 「宇宙人はいるの?」「NASAで働くには?」など質疑応答39選(その3)
Q29:グラフィックデザイナーがNASAで働くことはできますか?
A29:はい、できますよ。実際に、私たちのチームにもグラフィックデザイナーがいて、プレスリリース用のイメージ画なんかを制作してもらっています。他にも惑星「ケプラー186f」のアニメーションを作ってもらったりしました。楽しそうなお仕事だなって思っています!
Q30:私たちが生きている間に、どれくらいの確率で、地球外生命体が発見されると思いますか?
A30:それは年齢や健康状態によりますね。もしあなたが95歳なら、かなり難しいかもしれません。今、私は29歳ですが、私が生きている間には地球外生命体は発見されるだろうと思っています。知的生命体については、話が別ですが。
Q31:他の国もこの計画を支援しているんですか?
A31:世界中の科学者が支援してくれています。
Q32:どういった人々がNASAで働いているんですか?
A32:色々な人が働いていますよ。私はイギリス出身ですが、同僚はインド人、アイルランド人、カナダ人です。ニューヨークの大都会で生まれ育った人から、ニューメキシコ州の小さな町からやってきた人もいます。
子供の頃からNASAに憧れていた人もいるし、たまたまNASAで働くようになった人もいます。
Q33:生命が存在することのできる惑星が発見されるまで、どれくらいかかると思いますか?
A33:ケプラーは、最先端の技術が結集されたものです。なので、今後どういった新しい技術が開発されるかによって、その時間も変わってきます。また、どれくらいの資金が必要になってくるかにもよります。
楽観的かつ現実的に考えてみて、もし、恒星からの光を遮断する高性能の望遠鏡が完成すれば、2015年には、水と二酸化炭素を有する岩石惑星を発見することができるかもしれません。そこから生命を発見するとなると、さらに大きく高性能な望遠鏡が必要です。もしかすると2050年までには、宇宙人を発見することができるかもしれません。
Q34:木星の衛星「エウロパ」から水が発見されましたが、生命は存在すると思いますか?
A34:エウロパで生命が発見されるかどうかは分かりません。もし見つかれば、幅広い環境で生命が進化できることが分かります。ということは、この銀河の他の場所でも、生命が存在している可能性が増します。
Q35:10光年先の惑星で生命体を発見したとしても、私たちは決してたどり着けません。なんの意味があるんですか?
A35:物理的に行けなくても、観察することで様々なことが解き明かされます。知的生命体と通信を取ることもできます。20年越しの会話になりますが。
Q36:「K2ミッション」が始まって、なにが変わりましたか?
A36:ハビタブルゾーンには多くの惑星が存在していることが分かりました。
Q37:ケプラー計画で、太陽系惑星に対する考え方は変わりましたか?
A37:ケプラー計画をスタートさせる前までは、太陽系惑星に似た惑星が、他の銀河でも確認できると考えられていました。しかし計画がスタートすると、そんな考えは吹き飛びました。なぜなら1番始めに発見したのが、公転期間が10日の巨大なガスの惑星だったのです。
Q38:太陽系外惑星を発見したとき、その惑星についてどれくらいのことが分かるのですか?
A38:ケプラーは、ものすごく遠くにある恒星の輝きを観測します。例えば「ケプラー186f」なんかは、500光年離れています。その星のほんの一部分を確認すると、そこを何度も観察して、輝きの変化を捉えます。そうすることで、周りを公転する惑星の存在を知ることができるのです。肉眼で夜空の星を見るような感じの遠さですが。
Q39:宇宙人探査において大気汚染物質を検出すれば、そこに公害を発生させる産業が発展している。ひいては宇宙人の存在が特定できると聞きました。ケプラー計画では、惑星の大気を調査しないんですか?
A39:面白い説ですね。今のところ、ケプラーは太陽系外惑星の存在を探っているだけなので、その惑星の大気を調べることは不可能です。次世代の望遠鏡では可能になっているといいですね。
ただ、地球では産業によって大気が汚染されていますが、宇宙人の産業が大気にどのような影響を及ぼすかは予想がつきません。もしかしたら、火山活動や惑星自体から発生する気体である可能性だってあります。
参照元:Reddit、Twitter @NASA Kepler(英語)
執筆:小千谷サチ