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名古屋でレンタカーを借り、矢作川を越え、曲がりくねった山あいの道を一時間。愛知県豊田市は岩戸山にある、珍スポ界の世界遺産「風天洞」にたどり着いた。

山の斜面にのびる小道の脇には「風天洞」の石碑と、錆の浮かんだ「国際鎮魂道場」という看板が。鎮魂道場の意味はさておき、「国際的な何か」があるということで、期待が膨らむ。

ここからは車を降り、人気の全くない山道をひたすら歩く。木漏れ日のなか、周りに点在する不気味な石仏が次第に数を増やし、しまいに石仏だらけになりの、自分の足音以外、静まり返ったうら寂しい山中で、奇っ怪な音楽が突然大音量で流れ出し、その場で飛び上がった!

・センサーだらけのハイテク霊場、心臓の悪い方は要注意!

びっくりして左右を確認するが、もちろん誰もいない。あるのは苔むした石仏ばかりなのだが、それらもよくみると半人半獣だったりして見慣れたものとかなり違う。なんか変だ!

逃げるように先を急ぐと、今度は私の周りにある祭壇だけ、ピカッ、ピカッっとライトが点灯。うわっ、なんだ!

さっさと種明かしすると、この石仏だらけの不気味な山。実は結構ハイテクで、あちこちセンサーまみれ。まるで油断した頃を見計らったかのように、いきなりヤリ手の総会屋みたいな良く通るダミ声で解説や読経が始まったり、運営側は親切のつもりなのだろうが心臓に悪い。

・謎の尼僧と歴代天皇、そして千代の富士関。考えるな、身体で感じろ!

しばらく歩くと小さなプレハブが。こちらで入場料を払い、全長500メートルの石窟「風天洞」の探検をするわけだが、洞窟の入口まで案内してくれる尼さんの滑舌がありえないほど不思議な調子で、何を言ってるのかひとつも理解できないまま突入。

この洞窟にも例によってセンサーが張り巡らされ、他ではできない不気味体験ができること請け合い。洗ったお金が一万倍に増えてしまう魔法の泉もあるので、財布のお金を洗っておこう。

さて、メインのはずの洞窟を出てからも冒険は続く。神武天皇から始まって、歴代天皇の肖像画が125枚も飾られた妙な建物があったと思えば、その建物のラストになぜか、元横綱・千代の富士のひときわ巨大な肖像画が掲げられていたり、意味はわからず、ただひたすら不気味。

そんな、わけのわからない世界観が山ひとつ使って表現されている現代の魔界。死ぬまでに一度は見ておきたい。

・今回ご紹介した施設の詳細データ

名称 風天洞
住所 愛知県豊田市大蔵町横手山5
休日 たぶん年中無休

Report : クーロン黒沢
Photo : Rocketnews24.

▼ようやく着いた! けっこうなド田舎にあります
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▼しかし、来る価値は充分すぎるほどあるのだ!
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▼石仏だの石獣だの、どんどん増えてくる
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▼ここで突然センサー攻撃、危うく漏らすところだった
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▼洞窟はこちら
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▼はじめ高いと思った料金も、後から考えると安かったかも……
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▼もし尼さんが出てきたら、考えるな、身体で感じろ!
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▼洞窟はかなり長い。滑りにくい靴を履いてね
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▼この霊場のポリシーを端的に現している図
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▼水子の供養はお済みですか?
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▼映画の中に迷い込んだかのような風景
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▼謎だらけな「歴代天皇肖像画の館」
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▼ラストを飾るのはなぜか千代の富士
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