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先日、女友達と2人でシャレオツなバーへ飲みに行った時のことです。我々のすぐ隣には、Around30(30代)と思しきアベックがおりました。男性の方が女性を熱心にくどいておりましたゆえ、我々も下ネタ等で場の雰囲気を壊さないよう気を配っていたのですが、我々の気遣いも虚しく、男性のアプローチは失敗に終わりました。失敗の原因は、「手の甲にキッス」です。

・「手の甲にキッス」でドヤ顔するアラサー男性

状況だけ先に説明しますね。中盤あたりから、男性が女性の手を握りました。ここまでは悪くないと思います。女性側も、まんざらではない様子でした。

しかし、手を握った数分後に悲劇が起きました。男性が、握った手に顔を近付け、甲にチュッとキッスをしたのです。横目で男性の表情を見ると、明らかなドヤ顔。対して女性のほうは……、「ぎゃははははは!」。シャレオツなバーの雰囲気をぶっ壊すほどのデカい声で大爆笑しやがりました。

・中世ヨーロッパの社交界ならアリだけど……

筆者に同行していた女友達も、プルプル震えながら笑うのを堪えておりましたので、本当は結末まで見守りたかったのですが、我々はシャレオツバーを出て、安居酒屋へと移動しました。安居酒屋でホッピーを酌み交わしつつ、先ほどの男性の敗因について議論を交わしたのですが、「手の甲にキッスは古い!」という結論に至りました。『ベルばら』を愛読している筆者に言わせれば、中世ヨーロッパの貴公子と貴婦人ならいざ知らず、21世紀の現代日本で、庶民が行なうものではないんですよね。

・カラオケスナックでは日常茶飯事の光景

『ベルばら』に疎い筆者の女友達は、むしろ「カラオケスナックのオッサン客」を思い浮かべたとのこと。カラオケスナックでのホステス経験がある彼女いわく、「酔っ払った中高年のお客様の『手の甲にキッス』率は異常に高い」のだそうです。

・「手を握る」ところまではノープロブレム

シャレオツバーでくどかれていた女性が、中世ヨーロッパを思い浮かべて「欧米か!」というノリで大爆笑したのか、カラオケスナックのオッサン客を思い浮かべて大爆笑したのか、もしくは全く別の理由なのか、真相は闇の中です。しかし、「手の甲にキッス」で胸キュンする女性は稀有な存在であることは火を見るよりも明らか。男性の皆様、女性をくどく際は、手を握るところまではオッケーですが、くれぐれも手の甲にキッスしないよう、お含みおきください。

恋愛コラムニスト: 菊池美佳子 Twitter / ブログ
イラスト:Rocketnews24