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2014年8月16・17日の両日、日本屈指の都市型ロック・フェスティバル「サマーソニック2014」が、東京と大阪で開催された。東京会場は千葉のQVCマリンフィールドと幕張メッセ、大阪会場は舞洲の特設会場。両日合計で16万5000人が参加したとのことである。

国内外を問わず、200組以上のアーティスト・バンドがパフォーマンスを披露するなかで、一際オーディエンスの印象に残ったのが、日本屈指のシンガー浜田麻里ではないだろうか。彼女が今回がサマソニ初参戦。名前は知っているけど、聞いたことがないという若い世代も、彼女の歌唱力に度肝を抜かれたはずである。50歳を超えても彼女のハイトーンボイスは健在、数千人のオーディエンスを席巻したのだ。

・開演前から興奮

彼女が出演したのは、東京会場のメッセサイドでも実力派アーティストが出演する「レインボーステージ」。このステージはTOKIOがトップバッターを務めた場所であり、彼女の出演前から場は存分に温まっていた。そして迎えた浜田麻里の出番。開演前から興奮が会場を満たし始め、バンドのサウンドチェックの段階から、時折波のような歓声が湧き上がっていた。

・ハイトーンボイス炸裂!

青いドレス姿で彼女が登場すると、それまで会場に座り込んでいた人たちも立ち上がり、巨大スクリーンに映し出された彼女の姿に高く拳をかかげていた。そして冒頭からハイトーンが炸裂する楽曲『Fantasia』でいきなり場内のボルテージはマックスに。

・圧倒的歌唱力に、感情が抑えられない

以前の記事でも紹介したのだが、52歳にして、圧倒的な声量とテクニックを持つ彼女は、おそらく日本でも屈指の女性ボーカルである。彼女と肩を並べるシンガーは女性のみならず、男性でもなかなかいない。

最初の第一声で全身に鳥肌が立ち、身体のなかの何かが激しく揺さぶられる感触を覚えた。何だこの声は!? 思わず感情を抑えられなくなって「ウオーーーッ!」と声を上げてしまう。

・ホールを満たす怒濤の「ロック」

この日のセットリストは、往年の名曲『Nostalgia』や『Blue Revolution』、そして彼女を一躍スターダムに押し上げたヒットナンバー『Return to myself』を交えた計7曲が披露された。曲間のMCはわずかで、ハードなナンバーを畳み掛けるように繰り出し、数千人のオーディエンスを終始圧倒したのである。

彼女の存在感と歌声は、巨大なホールさえも小さく見せる。気迫とでも言おうか、あの細い身体から発せられるオーラが、ホールの隅々にまで充満し、息苦しささえ覚えるような怒濤の「ロック」に、オーディエンスは酔いしれたのだ。

・ロックの怪物

それにしても、衰えることのないカリスマ性と歌唱力。すべてにおいて彼女を超える女性シンガーは、当分出てくることはないだろう。彼女を超えるのは至難のわざだ。少なくとも、ギターの神様高崎晃と対等に渡り合えるシンガーは、男女を問わずなかなかいない。ある意味、ロックの怪物である。凄まじい……。

・フルオーケストラとの共演も

そんなロックの怪物は、新境地へチャレンジしていく姿勢も崩さない。8月末および9月頭に、初めてとなるフルオーケストラ公演「Mari Hamada Premium Symphonic Concert 2014 ~ROCK QUEEN×ORCHESTRA~」を東京と大阪で予定しているのだ。

バンドでのハードな演奏とは異なり、繊細かつダイナミックなオーケストラとの共演は、圧巻に違いない。サマソニとは違った彼女の魅力を体感するのに、打ってつけのライブになることだろう。東京公演は2014年8月31日と9月7日で、大阪公演は9月3日。時間や場所などの情報は、下記のリンクを要チェックだ!

参考リンク:Billboard classics 「Mari Hamada Premium Symphonic Concert 2014 ~ROCK QUEEN×ORCHESTRA~」
Report:佐藤英典
画像提供:徳間ジャパン 浜田麻里

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