高品質な無料通話ができるうえ、チャット専用ソフトとしても便利なのが『Skype（スカイプ）』であるが、Skypeユーザーならば、おそらく誰もが「いきなり見知らぬ人がコンタクト（友達）申請をしてくる」という場面に遭遇したことがあるだろう。
コンタクト申請を承諾しなければ何も起きないのだが、もし承諾したらどんな展開になるのだろうか？ ということで今回お伝えしたいのは、実録迷惑メールシリーズ海外出張版、題して「いきなりSkypeで話しかけてきた謎の外国人との英語バトル」である。
・国籍不明の謎のユーザーからのコンタクト申請
つい先日、私（筆者）に突然コンタクトをとってきたのは、「bunnykiss623」という名のSkypeユーザーだ。プロフィール写真は入っておらず、詳細情報も皆無である。後に「jenny」と名乗ったので、ジェニーちゃんと呼んでおこう。
まずジェニーは、「hey」とウインクマーク付きで発言してきた。それに対し、私は中学生並みの英語で「Hello! Who are you?」と答えてみた。すると彼女は「hello to you too」と返してきたので、私は名前を聞くため「what your name?」と返し……。
私の英語力なんてこの程度であるが、以下は、私とジェニーが繰り広げた会話である。ちなみに、会話が成立していない部分が多々あるが、それは私の英語力が乏しいからだ。なお、カッコ内の日本語は、後日、英語の達者なアイク氏とNekolas氏に協力してもらって日本語訳したものである。英語の勉強にもなるので、比較しながら読んでほしい。
【ジェニー vs GO羽鳥のSkype会話ラウンド1】
ジェニー「hey（ハァ〜ィ！）」
GO羽鳥「Hello! Who are you?（こんにちは！ 君は誰？）」
ジェニー「hello to you too（よろしくね）」
GO羽鳥「what your name?（君の名前は？）」
ジェニー「jennifer, just call me jenny（ジェニファーよ。ジェニーって呼んで）」
GO羽鳥「OK. jenny. You can call me GO. My name is GO. Where your Country？（オッケー、ジェニー。俺のことはGOと呼んでくれ。俺の名前はGOだ。君はどこの国の人間なんだ？）」
──と、ここまで会話すると、なぜかジェニーからの返信は途絶えた。翌日、「heya（ねえ！）」という発言があったが、タイミングが合わずに私は気づかなかった。そして、さらに翌日の朝7時34分、再びジェニーは口火を切った。
【ジェニー vs GO羽鳥のSkype会話ラウンド2】
ジェニー「hey!（ねえったら！）」
GO羽鳥「hi!（はい！）」
ジェニー「hey thanks for adding me, found your name in the skype member search…24/f, you?（私からの友だち申請を受理してくれてありがとうね。あなたのこと、スカイプのメンバー検索で探したのよ……。私は24歳の女。あなたは？）」
GO羽鳥「where are you?（今どこにいる？）」
ジェニー「I’m from Cali/Modesto but i’m currently living in Houston（私は米カリフォルニア州のモデスト出身。でも今はヒューストンに住んでいるんだ）」
GO羽鳥「are you student?（君は学生か？）」
ジェニー「well I’m home for the summer from college, trying to get myself into some trouble ;) lol are you into college girls or cougars?（私は夏休みの間は、大学から実家に帰って、ちょっと楽しむつもり笑。あなたは女子大生や、年下の男を狙う年増の女に興味ある？）」
GO羽鳥「I am man. and I am in Japan. and I am not student. My age 34. are you?（私は男だ。そして私は日本人だ。さらに私は学生ではない。34歳だ。君は？）」
ジェニー「of course lol?I’m recently single and i really like chill drama free guys who i can show my little body off to lol, promise you won’t record me if i show you?（もちろん笑！ 私、最近、恋人がいなくなったし、私の小柄な体を見せびらかせられる後腐れのない相手がいいの……。もし見せても録画しないって約束してくれる？）」
GO羽鳥「Yes. are you men?（うん。君は男か？）」
ジェニー「lol ok one minute while i put on something cute, ok?（笑。オッケ！ 今からカワイイ服を着てくるから……ちょっとまってて……）
GO羽鳥「OK（オーケーだ……）」
──なんだか妖しい展開になってきた！ 後腐れない関係を求めるジェニーが、今からカワイイ服を着てくると言っている！ いったい何が始まるんだ!? ドキドキが止まらない!! その後の展開ならびにジェニーの素顔と「カワイイ服」は、次ページ（その2）に掲載だ!!
Report：迷惑メール評論家・GO羽鳥
Photo：RocketNews24.
【実録】いきなりSkypeで話しかけてきた謎の外国人とヘタクソな英語でチャットしたらこうなった（その2）
ジェニーはどんな服に着替えてくるんだろう。米ヒューストン在住の24歳の女子大生が思う「カワイイ服」とは、はたしてどんなモノなのか。この妄想だけでメシ3杯は食えそうだが、予想に反してジェニーの着替えは早かった。ジェニーは早着替えの達人だった。以下は会話の続きである。
【ジェニー vs GO羽鳥のSkype会話ラウンド2（後半戦）】
ジェニー「ok :) go here （怪しいURL） do u see my cam? it might just be my pic cause your not a member yet（オッケ笑。このURLに飛んでみて。私のカメラ見えるかな？ あ、でも、もしかしたら、今そこに写ってるのは私の写真じゃないかも……。メンバーになったら見られると思うよ）
GO羽鳥「Please send me your photo. now. I don’t go other URL（今すぐ写真を送ってくれ。今すぐだ。俺は君のURLには飛ばない）」
ジェニー「pics are old skool hehe, i like to do cam 2 cam :) i’m online right now （怪しいURL） im the main girl u see there, type to me on the right hand side of my video（写真なんて時代遅れだって笑 私が好きなのはリアルタイムのビデオ通信。私はいまオンライン中だよ！ 画面に映ってるのが私だよ。映像の下にチャットスペースがあるから発言してみてね！）」
──キタッ。まさかの誘導。毎度おなじみ怪しいURLへの誘導……。怪しいサイトへの導きは、今も昔も世界共通のムーブメント。その先にあるのは出会い系なのか!? しばし悩んだ末、といっても3分間しか悩んでいないが、ジェニーが導く怪しいURLへ飛んでみることにした。すると……!!
そこにジェニーは、いた！ 動いている。ソワソワしながらタイピングをしている！ そうか、ジェニーの「カワイイ服」は、ショッキングオレンジのタンクトップ!! 見るからに遊んでそうな感じだ。まったくジェニーってやつは……嫌いじゃない。
さらによく見ると、たしかにジェニーの下にはチャットスペースが。しばらく待つと、「Hey did you accept my invite??（私の招待、受け入れてくれた？）」や「Can you see me typing?（私がタイプした文字、見えてる？）」とかなんだとか表示される。そう、ジェニーは今まさに……タイピングしているのだ!!
画面の左端には時間表示が。なんだかよくわからないが、5分以内になんとかしろと申している。そ、そんなぁ……。せっかく出会えたジェニーなのに、5分以内になんとかしないと……何をすればいいのか意味不明だけど、5分以内にジェニーが消える！
おそらくジェニ（銭）を要求しているんだろうけど、そんな駄洒落を考えているうちに、もう残り3分！ どうしようジェニー。俺、おれ……ジェニーのことが……ジェ、ジェニーッ!! と悶絶しながらジェニーの映像を「名前をつけて画像を保存」してみたら、なんとGIFアニメだった。せっかくなので掲載しておこう。
──ちなみに、この怪しいURLを再リロードすると、何度も何度も同じジェニーの映像（GIFアニメ）が表示される。ジェニーがタイピングするメッセージも同じである。そう……つまり、ジェニーは何度も何度も同じ動きをしてしまうロボットのような女性だったのだ！
こうなると燃えてくる。ジェニーの心を、ときほぐしたい。きっとジェニーは『エヴァンゲリオン』の綾波レイのような女性なのだ。悲しいこともあっただろう。いろんなことがあったはずだ。私は、牧師のような心でジェニーに語りかけた。
【ジェニー vs GO羽鳥のSkype会話ラウンド3】
GO羽鳥「I went URL.（飛んでみたよ……）」
ジェニー「ok ya just accpt the invite and it’ll connect us :)（オッケー！ あとは私の招待を受け入れてくれたら、私たちは……“接続” される……）」
GO羽鳥「Can you see me typing?（俺がタイプした文字、見えてる？ ※チャット画面に書いてあったことをコピペして反応を伺ってみた）」
ジェニー「oh, i think you might have to fill out some stuff…everyone gets verified as being real on here, keeps the creepy people away!!! lol（オゥ……。もしかしたら、いろんな項目を入力しなきゃいけないかもしれないけれど、そこはカンベンしてね。怪しい人を入れないためのルールだから。みんな、ちゃんとした人ばっかりだから）」
──なんだか会話が噛み合っていないが、とにかくジェニーは、私に「会員登録」的なことをさせたいらしい。だが、英語がマトモに読めない私には、どうやって登録するのか分からない。ということで、Skypeの利点である「無料通話」でジェニー本人に聞いてみることにした。
通話ボタンをポチ！ ピコピコピピ……。もしもジェニーが出たところで、英会話が成立するとは思えないが、とにかくジェニーの生声で案内してほしかった。ピコピコピピ……出てくれジェニー！ 続きはラストの次ページ（その3）へGO!!
Report：迷惑メール評論家・GO羽鳥
Photo：RocketNews24.
【実録】いきなりSkypeで話しかけてきた謎の外国人とヘタクソな英語でチャットしたらこうなった（その3）
出なかった。当然のごとく出なかった。というか、知ってた。電話に出ないなんてこと、知ってた。たぶん読者のみんなも知ってた。しかしながら、この「通話攻め」という攻撃法は、こちらの熱意を示す意味でも “重要な1手” であることは、もはや常識だ。
それはさておき、このあたりから私は一気に攻めることにした。もうディフェンスは終わりだ。ジェニーの攻撃は受けきった。次はオフェンス。今度は私のターンである！
【ジェニー vs GO羽鳥のSkype会話ラウンド3（後半戦その1）】
──通話が開始しました
──通話終了 – 応答なし
GO羽鳥「can i call you by skype（Skypeで通話しないか？）」
ジェニー「k, yea i had to do the cc part too =( that how i got my profile verified as real (kiss) did u get in?（オッケー！ 私もクレジットカードのところを入力してたわ。これをクリアしないと、あなたの申請も承諾されなくて、私との会話を続けられなくなっちゃうから……）」
──だめだ。もう私の英語力の限界に達していた。彼女の最後の発言は、あまりにも難解すぎて正確に訳せない。通話にも出ないうえ、難しい英語で攻めてくるジェニー。そうか、分かったよジェニー。戦いたいんだな？ ついに……私が温存していた必殺技を解き放つ時が来たようだ。対LINE迷惑メール用に温存してきた伝家の宝刀を抜く時が来たようだ!!
【ジェニー vs GO羽鳥のSkype会話ラウンド3（後半戦その2）】
GO羽鳥「ファイル送信（gohatori32x32.jpg）」
GO羽鳥「ファイル送信（gohatori64x64.jpg）」
GO羽鳥「Please see it.（見てください……）」
ジェニー「k let me know when your signed in so i can send u some private time loving! (kiss) mmm（会員登録したら教えてね！ そしたら、私とあなた、ふたりきりの愛ある時間が過ごせるから……）」
GO羽鳥「ファイル送信（gohatori128x128.jpg）（gohatori256x256.jpg）（gohatori512x512.jpg）（gohatori512x512b.jpg）」
──と、ここまで送ったところで、ジェニーからの返信は途絶えた。本当は、最後まで出し切れば10連発ヒットする攻撃だったのだが、たった6発の時点でジェニーは黙秘権を行使した。できれば最後まで出しきりたかった。私の顔面が海外でも通用するのか確かめたかった。
ちなみに10発目の画像は、GO羽鳥の鼻の穴からGO羽鳥が出てくるというドロステ効果を駆使した自信作だったのだが、そんなことはどうでもいい。
というより、画像送信のステータスが「待機中」のままなので、ジェニーは私の画像を見ていなかったと思われる。やばいヤツが画像を大量に送りつけてくるから、「しばし黙っておこう」的な考えだったと予想される。スカしたな、ジェニー。おのれジェニー!!
・その後のジェニー
ちなみにジェニーは、この翌日も午前7時34分きっかりに「hey!」とメッセージを送ってきた。ジェニーが午前7時34分に「hey!」と言ってきたのは、これで2回目だ。
私が「hi!（はい！）」と答えると、以前とまったく同じ文言で、「hey thanks for adding me, found your name in the skype member search…24/f, you?（私からの友だち申請を受理してくれてありがとうね。あなたのこと、スカイプのメンバー検索で探したのよ……。私は24歳の女。あなたは？）」と返事してきた。
・なにげに有名人だった
後の調べによると、彼女は海外でも有名なSkypeにおける迷惑 bot（ボット）なのだそうな。ロボットのような女性ではなく、本当にロボットだったのだ。海外サイト reddit にも、その記録は残っている。何はともあれ、Skypeネーム「bunnykiss623」には要注意。いくらジェニーに熱を上げても、銭（ぜに）を失うだけである。
参考リンク：reddit（英語）
Report：迷惑メール評論家・GO羽鳥
Photo：RocketNews24.
こちらもどうぞ → 『GO羽鳥の【実録】迷惑メールシリーズ』
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