広告が人々に与える影響は、計り知れないほど大きい。もしも消費者に好印象を与えることができれば、売上がアップするだけではなく、企業イメージも向上するかもしれない。逆に伝えるべき内容を間違えば、企業は途方もない損失を被る可能性もある。
・ホンモノのウサギの皮を使った看板
ニュージーランド発祥のあるピザチェーン「Hell Pazza」は、「イースター」限定の一風変わった商品の販売を開始した。その看板に批判が殺到しているのだ。販売を開始したのはウサギ肉を使用したピザなのだが、その看板にホンモノのウサギの皮を張り巡らしているのである。このウサギの皮看板は、正直不気味と言わざるを得ない。少なくとも「このピザを食べよう!」という気持ちにはなれないのだが……。
・ニュージーランドに設置
同社がニュージーランドに設置した看板には、次のように書かれている。「イースターに新商品 本当のウサギから作られたラビットピザ この看板のように」、看板にはホンモノのウサギの皮がびっしりと敷き詰められているのである。
・ペスト扱いされるウサギ
同社はFacebookで、「ウサギは容姿が可愛らしく、お肉はおいしいのに、環境に悪影響をもたらすニュージーランドの『ペスト』として知られている」としたうえで、看板用の皮は専門の食肉加工業者から仕入れたと伝えている。なぜニュージーランドで「ペスト」と呼ばれているのかというと、外来種のウサギは多産であり、増えすぎて困ってるという実態があるからだ。
・「撤去してくれ」と苦情
このコメントは地元住民に対して、何の説明にもなっていない。住民はすぐにでも悪趣味な看板を撤去して欲しいと訴えているのに、同社は安全性を主張するだけで、撤去には応じない。実は同社は過去にも奇抜すぎるプロモーションを実施して物議をかもしている。
・たびたび苦情を受けている
たとえば2006年に、キリスト教「七つの大罪」をモチーフに、「肉欲ピザ」という商品を開発して、そのPRのために1万7000個のコンドームを地元住民に郵送している。また2011年には「不幸のクッキー」という商品を開発。そのなかに「あなたはトランスジェンダーと結婚します」と書いたものがあり、消費者から苦情を受けて謝罪する事態となっている。
・動物愛護団体からも苦情
キワモノの商品開発で、他のチェーンと差別化を図っている同社。その支店はニュージーランドだけでなく、イギリス・カナダ・韓国・インドにあるという。ちなみに今回のウサギピザは、ウサギが多産の象徴であることから、イースターのときにもてはやされることに由来している。とはいえ、もう少し気持ちの良い伝え方があったと思うのだが。いうまでもなく、動物愛護団体からも激しい苦情を受けているそうだ。
参照元: ODDITYCENTRAL、Facebook Hell Pizza(英語)
執筆: 佐藤英典
▼ホンモノのウサギの皮を使った看板