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心理戦ゲームと言えば『人狼ゲーム』。今や個人で楽しむゲームの枠にとどまらず、ニコニコ動画ではプロ棋士による人狼のゲーム実況が回を重ねて行われたり、テレビ番組や舞台、はては映画化など、今や「知らない人の方が少ないのでは?」というほどの人気ぶりだ。

・大人気ゲームがついに小説化

最近では「人狼ゲームを新卒採用選考に導入する」いったニュースも出るなど、もはや国民的ゲームと言える勢いだが、なんと今度は『人狼ゲーム』を題材にした小説『人狼ゲーム ~人事の悪夢~』(1200円 / 大和書房)が登場した。

・これは心理戦?それともパワーゲーム?

舞台は急速に勢いをあげるITベンチャー。ある日突然「次の社長の座は『人狼ゲーム』で決める」という遺書を残し、社長が謎の死を遂げる。残された8人の社員たちは、戸惑いながらもこの奇妙なゲームに巻き込まれていく。

ゲームが進むにつれ、あらわになる社内の歪んだ人間関係と、ねじれたヒエラルキー。これは心理戦? それともパワーゲーム? このゲームに隠された意図とはいったい……。 という、ゲームと謎解きミステリーが同時に味わえる内容となっている。

・150万ダウンロードの人狼アプリ開発者「小説のきっかけは妻の一言から」

著者の鈴木 教久(すずき かずひさ)さんは、昼は広告代理店で開発プロデュースを行う傍ら、個人のプロジェクトとして人狼アプリを手がけている。アプリの総ダウンロード数は150万、プレイ人数は延べ4600万人を超え、カードゲーム、教育ゲーム部門でも1位を獲得、人狼ゲームアプリのデファクトスタンダードとなっている。

そんな鈴木さんが小説を書こうと思ったきっかけは、共に人狼ゲームを楽しむ奥様からの「人狼ゲームをテーマにした本を書いてみたら?」という一言だったそうだ。

「最初は、人狼ゲームのロジックや攻略法を仕事術に絡めたビジネス書を考えていました。でも、出版社の方から『ストーリー仕立てにした方が人狼ゲーム本来の面白さが伝わるのでは?』というアドバイスをもらい、人生初の小説にチャレンジすることにしました」と語る。

その後、キャラクター設定やゲーム展開を考えた配役の組み合わせ、プロット書き、と進めていき、何度も修正を重ね、今回の小説が出来上がったということだ。

・ポイントは『多数決とはなにか』── 随所に散りばめられる人狼攻略のヒントを感じとれ!

小説では、人狼ゲームの肝である『多数決とはなにか』に焦点を当てている。「多数決では、自分一人の意見を通しても勝つことはできません。この本を読むと、多数決や議論の結果というのは、最初から答えが決まっているわけではなく、常に可能性が変化していくものだ、ということを感じてもらえるんじゃないかと思います」と鈴木さんは語る。

また、人狼の攻略のヒントも随所に散りばめられているので、もっと人狼ゲームが強くなりたい人にはうってつけの一冊だろう。

・鈴木さんからのメッセージ

「この本は、人狼ゲーム好きな人だけでなく、ゲームを知らない、やったことがないという人や、これから社会人になる方にもぜひ読んでもらいたいです。人狼ゲームはとても奥が深く、社会での集団心理やディベートの難しさを痛感するようなゲームです。だからこそ、新社会人や、会社の中で悔しい思いをしながら地道に頑張っている人に読んでいただけたら嬉しいです。社内のヒエラルキーの中で戦う口下手な主人公の姿に、笑ったり、応援したくなったり、勇気づけられたらいいな、と思って書きました」

・出版記念キャンペーンもやってるぞ!

出版を記念して、ウェブ本棚サービス『ブクログ』では献本キャンペーンを開催している。小説が気になったあなたは、この機会に応募してみてはいかがだろうか。

また、リアルイベントなども検討しているとのことなので、今後の展開にも期待しよう。小説『人狼ゲーム ~人事の悪夢~』は、 全国書店やオンライン書店で発売中だ。

参照元: 人狼ゲーム ~人事の悪夢~
執筆: uekky
画像提供: 鈴木教久