2013年、日本企業・佐川電子が発表した強化外骨格「パワードジャケット MK3」。夢の実現と、ユニークな動画で世界を沸かせたことを記憶している人もいるだろう。
その「パワードジャケット MK3」が、あの士郎正宗先生原作の『アップルシード』に登場する強化外骨格「ランドメイト ギュゲス」の“装甲”をまとってしまった! しかも実際に乗って操縦できるという。マジかよ!? さっそく見に行ってみたぞ。日本の技術 × 漫画!! 無敵のクールジャパンキター!
・パワードジャケット×ランドメイト ギュゲス
この「ランドメイド ギュゲス」を制作したのは、モデルガンなどの制作・販売をしているガレージキットメーカー大日本技研だ。大日本技研では、以前から等身大のギュゲスのペーパークラフトを頒布していた。
それが、この度パワードジャケット MK3用に改良され、合体。実際に操縦できるギュゲスが誕生したのである! 今回、ギュゲスの内覧会で、実際に操縦させてもらえると言うので行ってみたぞ。
・半年かけられた改良と制作
この“装甲”の素材は、ライオンボードと呼ばれるウレタン製の板だ。建築模型や、コスプレの武器や鎧などを作るときに使われるものである。このギュゲスの“装甲”がパワードジャケット MK3を包んでいるのである。いわば、着ぐるみを着た機械だ。
……と、言ってしまうと簡単に聞こえるが、精密機械を入れ、稼動部分は干渉なくスムーズ稼動となると、全くたやすい物ではない。本当にちゃんと動くのだろうか?
・SFのようなコックピットにワクワク!!
会場の大きさの都合上、上半身と下半身に分けて装着することに。上半身は、ハッチを開くとコックピットがある。なかには、なんと複数のモニタがついているのだ! ハッチを閉め、電源を入れるとモニタで外の映像を見ることができるのだ。ギュゲスの特徴である「AVセンサ」もバッチリ搭載で、後ろの様子も確認することができるぞ。SFのロボットに乗ったみたいでワクワクが止まらない!!
・上半身をつけてみた → 動いたぁぁあぁぁぁぁ!!
「パワードジャケット×ランドメイト ギュゲス」の操作は簡単だ。自分の動かしたい方向に腕を動かせばギュゲスも同じように動いてくれる。指だって開閉可能だ。頭を動かせば、ギュインギュインとギュゲスも首を回す。何このロボットアニメ感! 若干のタイムラグはあるものの、まるで自分の体のようだ。
・下半身をつけてみた → 歩くのにコツがいる!
次に下半身をつけてみた。まるで、竹馬に手を離して乗っているようだ。歩くのにコツは必要だが、開発者で佐川電子の取締役CTO・町浩輔氏はギュゲスの足をつけたまま、スイスイと歩いていた。人間に機械の足がついたようである!! 人にもよるが30分ほど練習すれば、上手に乗りこなせるようになるそうだ。
・完成品は2月のワンフェスでお披露目予定
なお、この日、見せてもらったギュゲスは下半身が未塗装状態であった。だが、2月9日開催のワンダーフェスティバル2014[冬]にま完全な状態でお披露目される予定だ。さらに上半身と下半身を装着して、歩く姿を見ることができるという。
ウレタンとは言え、装甲つきのパワードスーツなんて、まだまだ未来の話だと思っていたが、もうこんなに近くにまで来ているのだ。量産化、実用化まであと一歩かもしれない!!
参考リンク: 佐川電子株式会社、大日本技研
Report:沢井メグ
Photo:Rocketnews24.
[ この記事の英語版はこちら / Read in English ]
▼実際に乗ってみた!
▼こちらは開発者で佐川電子の取締役CTO・町浩輔氏とコスプレイヤーShin’さんによるデモンストレーション。カッコイイ!
▼ついに完成したパワードスーツMK3×ギュゲス!!
▼『アップルシード』の主人公デュナン・ナッツに扮するコスプレイヤーShin’さん。美しい……
▼搭乗すると、まさに原作の雰囲気そのままである!
▼カッコイイ!! ほんとにこんなの動いちゃうのかよ!?
▼ということで……記者もギュゲスに乗ってみた!
▼コックピット
▼アームは搭乗者の腕と連動している
▼指の開閉はグリップのボタンで行う
▼コックピット内のカチューシャはギュゲスの頭部と連動しているぞ
▼コックピット内にはモニターが! このモニターで外の様子を確認するのである
▼未来キター!!
▼見ているだけで興奮だ
▼こちらはギュゲスの足。足だけで150センチほどありそうだ
▼おおきい……
▼175センチの男性が着るとこのとおりだ。体にジャストフィットである
▼こちらは家庭でも作れるペーパークラフト版の1/1ギュゲス(3150円)
▼▼ペーパクラフト版は大日本技研ウェブサイトやイベントで入手可能だ
▼こちらが話題となったパワードジャケットMK3、ギュゲスの中身
(C)士郎正宗 / 青心社