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フィンランドを代表する食べ物というと、真っ先に思い浮かぶのが「サルミアッキ」だ。これは、甘草の一種(リコリス)と塩化アンモニウムで作られたお菓子である。独特の匂いがあり、苦くてやや酸っぱい。駐日フィンランド大使館(フィンたん)はTwitterでこのお菓子を広めたいと言っているのだが、はたして広まるのは微妙だ……。

・「Martina」の羊肉料理

サルミアッキは有名だが、何もそれだけがフィンランドで味わえる食べものではない。実は日本食や中華、イタリアンにいたるまでさまざまな国の料理を楽しむことができる。そこで今回は北部の町ロヴァニエミで出会ったイタリア料理店をご紹介したいと思う。このお店「Martina」の羊肉料理は、視覚インパクト絶大な一品であった。

・グループ最北の店舗

このお店は、フィンランドで16店舗を展開する本格イタリア料理チェーンだ。ヘルシンキを中心に、同国南部に店舗を構えており、ロヴァニエミ店は最北のお店ということになる。さすが北極圏に間近の町、実はマクドナルドの最北の店舗もこの町にある。

・ぬくもりを感じる店構え

町の中心部に店舗があり、観光客だけでなく地元の若者もよく利用しているようだ。チェーン店でありながら、店内にその雰囲気はなく、ぬくもりを感じるしっかりとしたレストランである。本当はここで鹿かトナカイを味わってみたかったのだが、残念なことにメニューにこのふたつは存在しなかった。そこでスタッフおすすめの羊肉料理を食べてみることに。

・衝撃の肉塊

料理が登場して、まずその見た目に驚いた。日本で羊の料理をオーダーすると、大抵は一口大の大きさに切り分けられている。もしくはジンギスカンのような焼肉で楽しむのが一般的ではないだろうか。ところがここでは、丸々とした骨付きのもも肉が出てきた。皿からはみ出すようなデカさの肉塊に、思わず衝撃を受けた。

・想定外のボリューム

この肉だけでもかなりのボリュームなのだが、付け合せのマッシュポテトもかなりの量である。取り分けするとはいえ、これ一皿食べれば満腹になるに違いないだろう。量の加減がわからずにこのほかに、サーモンのグリルとカルボナーラを頼んでしまった。まあとにかく食べないことには……。実際に食べてみると、肉にまったく臭みがなく、おまけにフォークでつついただけでホロリと砕けてしまうような柔らかさだった。

・しなやかな肉質で美味

日本の羊と品種が違うのだろうか。臭さも固さもない、しなやかな肉質にビックリした次第だ。これに濃いめの味付けの赤ワインソースが良く合う。たんぱくな肉の味をソースが上手に引き立て、気が付けば上質の鶏肉を食べているような錯覚を起こしてしまうほどであった。

ちなみに、カルボナーラのオーダーは完全に失敗だ。イタリアンを売りにしているお店だったので、興味で頼んでみたが、フィンランドでパスタを食べるべきではないなと反省したほど。その点についてはまた詳しくお伝えしたいと思う。とにかく、豪快な羊料理の見た目と味を堪能することができた。これでマッシュポテトを少し控え目にしてもらえると、なお有難いと思った次第である。

・今回ご紹介した飲食店の詳細データ

店名 Ravintola Martina Rovaniemi
住所 Korkalonkatu 27 96100 ROVANIEMI FINLAND
時間 11:00~23:00

Report: 佐藤英典
Photo: Rocketnews24

▼これがお店のスタッフがおすすめしてくれた、羊肉の料理「Overripe Lamb」
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▼武骨な料理に見えるのだが、肉質しなやかでフォークをさすと肉がホロリと砕けた
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▼こちらは肉厚なグリルサーモンの「Salmon Arrossire」
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▼加減がわからずに、このほかにトマトスープと
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▼カルボナーラをオーダーしてしまった……
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