台湾最北端の石門(シーメン)。うっすらと霧がかる荒れ狂う海、冷たい突風が吹き荒れる最果ての岬……。
この地に1988年オープンした、仏教と道教がごちゃごちゃに混ざり合った不思議空間、それが「地獄寺」こと『金剛宮』だ。ガイドブックには絶対載らない未曾有の宗教施設、謎の巨大寺院である!! ナームナーム、ナンマイダー!
・45駅も先だった!
小雨のなか、地下鉄淡水線の最終駅から市バスに乗り換え、停留所ごとに深まる場末感を噛みしめながら「金剛宮」があるという停留所「新十八王公」まで……なんと45駅のバス旅! 所用一時間余り。車酔いには要注意だ。
・親孝行を再現した24のブロンズ像
金剛宮の参道には、小手調べとして古来から中華世界に語り継がれる「ベスト・オブ・親孝行24」を再現した「二十四孝」なる24のブロンズ像が並んでいる。
親のため自ら鹿に化けた鹿狩り孝行息子。自ら進んで蚊に刺され、蚊から親を守った孝行息子。歯のない老婆に自家製ミルクを与えた孝行嫁の美談──。目まいを伴う逸話が次々と来訪者を襲う!
・食べ放題・飲み放題サービス
寺に入ると、満面の笑みを浮かべたガイドのおばさんが登場。観光地+ガイド=法外ぼったくり という薄汚れた旅の方程式に縛られた私は露骨に警戒するも、「日本から来ましたか。それはそれはお腹が減ったでしょう」と見学者用の休憩スペースに案内され、大鍋で煮たあんかけ麺と紅茶がおかわり自由という “食べ放題・飲み放題サービス” でのおもてなし。イヤハヤ、何という太っ腹!
・電気じかけの地獄巡りなどスリル満点の霊界探検
食事のあとは、腹ごなしに広大な寺院を探検。寺院の内部は霊界を再現したテーマパークとなっており、大迫力のふてぶてしい神々。電気じかけの地獄巡りなどスリル満点の霊界探検が楽しめ、おまけに相当なご利益もあるらしい。そのため台湾のみならず、日本からも多くの巡礼者が訪れていた。
・ご利益ありまくり! 行く価値はあり!!
案内所の脇には巨大なゾウの置物があり、試しにお尻をなでてみたら他人の手垢でベッタベタ。聞けば、お尻をなでると金運がツキまくり。目をなでれば視力倍増といった具合で、非常に分かりやすいシステムなのだ。
台北の中心部から片道約二時間のショートトリップ。行って帰って半日潰れてしまうけど、行く価値はあり! 未曾有のスピリチュアル体験を逃すな!
Report:クーロン黒沢
Photo:RocketNews24.
▼恐るべき駅の数! 目まいがするけど乗るしかない。
▼停留所から徒歩5分。広大な敷地だった。
▼歯のない姑に芳醇な栄養素を与える孝行嫁の像。
▼親に高級肉をプレゼントする孝行息子の像。
▼参拝者のための無料飲食コーナーがあった!
▼今日は麺線(あんかけ麺)とお茶。汁粉が出る日もあるそうだ。
▼寺院の中にそれぞれ天国と地獄が再現されていた。こ、これは天国側?
▼三国志の関羽。道教では神様として崇められている。顔が渋すぎ……。
▼逃げ遅れたのか、足をキレイにしてもらっているのか? 解説はない。
▼そんな彫像が果てしなく、果てしなく続く。
▼地階は地獄ゾーン。電気じかけで来訪者を震え上がらせる!
▼いちいち意味を調べても日が暮れちゃう。深く考えないのがコツ。
▼日本人参拝者も急増中。若いのに難しい漢字を知っていて感心だ!