今や熊本県と言えば誰もが思いつく日本の『くまモン』。だが、くまモンだけではなく、『いきなり団子』だって忘れちゃいけない存在だ。
・いきなり団子はシンプルだが奥が深い
いきなり団子とは、サツマイモと小豆あんを小麦粉ベースの生地、もしくは練ったモチで包み、ホカホカに蒸したお菓子のこと。これが熊本ではとても有名で、めちゃんこウマイのである。
・ネーミングの由来は諸説ある
いきなり団子とは熊本弁で『いきなりだご』。そのネーミングの由来はいつくかある。
1、来客がいきなり来ても、いきなりお茶菓子として出せる
2、いきなり作れる
3、「カンタン」という意味の古い方言「いきなり」から転じた
4、いきなり食べるとイモがノドに詰まって苦しい
……などの諸説があり、どれが確かなのかはよくわかっていない。しかしひとつだけ確かなのは『いきなり団子』はウマいという事なのだ。
・作り方にこだわったいきなり団子は究極にウマい
では、実際に食べてみよう。いきなり団子の表面に前歯を立てるとモッチリとした生地が優しく受け止める。女性をそっと抱きしめたときの優しさに近い、そう……これは愛だ。そして、さらに前歯で深く噛み進めるにつれ、イモとあんの甘さを感じる。噛みしめるとモッチモチの生地とほんのり甘くてやわらかなフカフカのイモ、そして絶妙なる小豆あんの甘さのコンビネーションが口の中で交わっていく。上品な味、なんだか幸せ……♪
・お菓子屋さんによって味が違う
ちなみに、いきなり団子はお菓子屋さんによって、味も大きさも作りも若干ちがう。色んなお店の味を楽しんでみるのも楽しいだろう。そしてその中で熊本の郷土の心というものを感じ取っていただきたい。
取材協力:熊本県菓子工業組合
Report:世界のショウゴ
▼こちらが『いきなり団子』
▼断面はこんなカンジ。だがお菓子屋さんによっては味も大きさも作りも若干ちがう
▼基本的には熊本県産の原料にこだわっている