頭が良くなる食べ物といえば何だろう? 記憶力を高めるというドコサヘキサエン酸(DHA)を豊富に含むマグロの目のまわりや、思考力を高めるテオブロミンを含むチョコレートなどが有名だが、石川県の場合は、まず『頭脳パン』である。
・頭脳パン=頭脳粉で作られたパン
『頭脳パン』は、石川県金沢市にある金沢製粉が生産している「頭脳粉」を原材料としたパンである。頭脳粉は国内では金沢製粉が唯一生産している粉であるという。それを使って作られたパンが頭脳パンなのだ。
・頭脳粉とは
頭脳粉というのは、ビタミンB1を多く含んだ小麦粉のことだ。頭脳粉100グラムあたり、0.17mg以上のビタミンB1が含まれているという。ビタミンB1は、記憶力や集中力アップに効果があるそうだ。
・味は給食のコッペパンの味
ビタミンB1が多く含まれているというが、味はふんわり小麦のプレーン味。ただし水分が少なめで、トータルで見ると給食のコッペパンに近い。だが、中にしっとりしたレーズンが入っており、水分の少なさはレーズンが絶妙にカバーしてくれる。ちなみに18歳まで能登の奥地で暮らしていた石川県民は、はじめてサブウェイのパンを見たとき「頭脳パンだと思った」とのこと。
・袋には「謎の博士」がプリントされている
いくつかのメーカーが金沢製粉から頭脳粉を仕入れ、頭脳パンを製造・販売している。どのメーカーの頭脳パンにも、袋に謎の博士がプリントされているのが特徴だ。
だがフジパンでは、一時期、人気ゲーム『レイトン教授』シリーズとコラボし、頭脳パンのパッケージにレイトン教授をプリントしていたことがあった。レイトン教授ファンの間では話題となったが、一部の頭脳パンファンは博士の消失に悲しみに暮れたということだ。
・頭脳パン「ずのうパンを毎日食べてよく勉強して優秀な成績を上げて下さい」
頭脳パンは石川県を中心に北信越地域で、複数のメーカーから販売されている。地元では学生時代に頭脳パンを毎日のように食べていた人も多いという。だが、頭脳パンには「ずのうパンを毎日食べてよく勉強して優秀な成績を上げて下さい」と書かれており、結局は勉強しないと成績アップにはつながらないことが暗に示されている。……深い。
Report:沢井メグ
▼こちらが『頭脳パン』だ
▼謎の博士