先日、フィリピンの友人が「みんなで山に行こう」と持ちかけてきた。だが記者(私)はそこまで乗り気ではなかったので「その日はサボテンに水をあげなきゃ…」と断ろうとした。しかし今回は女の子も参加するそうだ。そうか…。 ならば行こうじゃないか! 男を見せようではないか。
・フィリピンで2番目に高い山
しかーし、ピクニック的なノリで考えていると、友人らは「フィリピンで2番目に高い山に登るから」と言う。しかも標高2922メートル !? やっぱり、サボテンに水をあげてよっかな……。
・その山の名は「プラグ山(Mt.Pulag)」
いきなり登山口に向かうと思っていたら、入山許可が必要と友人らから教えてもらった。プラグ山は国立公園なので管理事務所での手続きが必要となる。しかもガイド、運転手さんは円滑な登山のために必須。ちなみに、山頂まで荷物運び屋さんを雇うこともできる。
・登山口まではジプニーで移動
管理事務所から登山口までの道路はとてもヒドイ。 場所によっては 、ジープが泥道にハマって進まなくなる…。しかし、先へ進むためには自分たちで脱出作業をしなくてはならない…。ジープを何度も押す、押す、押す! しかも服は汚れまくるわで、何をしに来たのかわからなくなってきた。
・やっと登山口に到着。ここからが本番
まだ登山は終わりではない。ここから山頂まで歩いて行かなくてはならない。小さい村を抜け、農村風景を通り、登山道に入っても延々と悪路である。しかも、装備品がかなり重くてキツい…。記者と友人らは疲労とノドの渇きでギブアップ寸前だった。
・夕方、山頂手前で…
ガイドさんが「今晩はここでキャンプしましょう」と、ハゲ山のド真ん中で突然、爆弾発言をした。「え、本当に? ここは、標高高いわ、風が強いわ、天気が悪いわの3拍子が揃った場所ですよ? しかも、周りには一切何もないし…。」と絶望していると、さすがガイドさん。必要なものは全て用意してくれていた!
・翌朝の山頂で感動
真っ暗な早朝から、キャンプ地を出発。寒さの中、必死に前に前にと進み、ようやく山頂に到着! と…ここで記者はやっと理解することができた。なぜ友人らが登山に誘ってくれたのか…。なぜここまでして登頂しようとしていたのか…。
そう、それは、最高の朝日を望めるからだ。登山の目的はこの一点に絞られていたのだ。しかもこの日はかなりラッキーで、雲海までも見ることができた。最高のタイミング、最高のロケーションである。本当に来て良かった…。これぞ登山の醍醐味なのか。 登頂の感動ですべてが報われる。
よーし、次はフィリピンで1番高い山に登りたくなってきたぞ!
Photo: Edgar Zarate Kawig / Jerome Ross Lacbayan / RL Photography
撮影地:プラグ山(Mt.Pulag)
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▼これは登頂前日の夕陽を撮ってもらったものである
▼今回の登山のために同行してくれたガイドさんと運転手さん
▼プラグ山の近くにあるアンブクラオ村のダム。アグノ川をせき止めている。
▼プラグ山から離れた村にあるベンゲット州・イバロイ族の骸骨洞窟。500~1000年前の頭がい骨が眠っている。疫病が流行った際に隔離された人々との説がある
▼プラグ山から少し離れたところに熱湯の泥温泉がある。堆積した泥でパックができる
▼ふもとの村の子供たちは無邪気だ
最後に、今回の登山のために同行して下さった現地のガイド・運転手・カメラマンに、この場を借りて深くお礼申し上げます。