
「愛しているから結婚する」。仕事や学歴、家族構成……。結婚相手を決める際に考慮する点は人によって様々だろう。それでも結婚に重要な要素は「愛」と考える人が大半だろう(と思いたい)。でも、彼女の場合は違う。彼女は婚約者を愛していない。しかし、結婚せざるを得ないのだ。
「彼女」とは私(記者)がモロッコのマラケシュで出逢った25歳のモロッコ人女性、ハナちゃんだ。彼女との恋愛トークで盛り上がった私は、彼女が近々結婚することを知った。しかし、婚約者について浮かない顔で語る彼女は、明らかにその結婚に不満を抱いているようだった。のちに私は、彼女には愛していない人と結婚しなければならない特別な「事情」があることを知る。
私がハナと会うのは今回が二度目だった。マラケシュにある女性用化粧品店の販売員をしている彼女は、日々観光客と接客しているため英語も流暢。フレンドリーで気さくな性格の、笑顔が素敵な女性だ。今回会いに行ったときは、閉店間際というタイミングだったこともあり、彼女の仕事の後、カフェでお茶をすることになった。
女同士のおしゃべりで最も盛り上がるのは恋愛トークであるのは万国共通。恋愛トークが盛り上がると、彼女は言った。「わたし、来月に結婚するの」。「え、そうなの! おめでとう! 相手はどんな方?」と私。「優しい人よ。お見合い結婚なの」とのこと。
彼女は婚約者について言葉少なに語る。が、彼女が婚約者について語るときの表情は決して幸せにあふれるものではなかった。そんな彼女の表情が気になりつつも、そのことに触れることなく、おしゃべりは続き、そして別れた。
■婚約者を愛していない。でも結婚しなければならない理由とは?
その日の晩、観光ガイドをしてもらっていたハナのことをよく知るモロッコ人男性が教えてくれた。
ガイド「彼女は婚約者を愛していないんだよ。おそらく離婚するだろうって彼女自身が言ってた」
私「愛していないのに結婚しなきゃいけないの? モロッコでのお見合い結婚は当人同士が相手を選択する自由はないの?」
すると意外な答えが返ってきた。「いや、違うんだ。彼女の場合はまた別の事情があるんだよ」彼が話してくれた彼女の事情とはこういうものだった。
■イスラム教の「禁忌」を破ってしまった過去
イスラム教国家であるモロッコでは、結婚前の性交渉は「絶対にあってはならない禁忌」である。結婚する女性が処女でなかったら、男性は結婚しない。しかし、彼女は二十歳になる手前、恋人と関係を持ってしまった。そして、彼女と結婚する意思のなかった恋人は彼女の元を去った。
処女を奪われたあげくに恋人に去られた彼女にとって、結婚相手探しは絶望的なものとなった。処女でないことを秘密にしたまま結婚することは不可能。身体の関係を持てば、処女かどうかはいずれ分かってしまう。しかし、処女ではないことを受け入れて結婚してくれる相手を見つけることも、とてもとても難しい。
■お見合いで出会った男性に「秘密」を告白
昨年、彼女はお見合いを通じて、ある男性に知り合った。日雇い労働者で経済力に不安はあるし、好みのタイプではないけれど、とても優しい人のようだった。一か八か……彼の心の広さを信じて告白した。「私は処女じゃないけれど、それを受け入れて結婚してくれるか?」と。なんと、彼は彼女の要望を受け入れてくれた。こうして、2人は結婚することとなったのだ。
しかし、ハナは彼の心の広さに感謝しつつも、どうしても彼に対する愛情がわいてこないという。彼の経済力に対する不安もある。それでも結婚するのは、自分が処女でないことを受け入れて結婚してくれる男性に巡り会えるのは、非常に少ないチャンスであることを理解しているからだ。
……と、ガイドが私に話してくれた裏事情とはこのようなものだった。
「愛だけじゃ結婚できない。現実的に将来設計を見据えて考えなければならない」。私たち日本人が結婚を考えるとき、愛情だけではなく経済力や将来設計など現実的な側面も考慮しろと言われることは多い。それでも愛している人と結婚できる自由を持つ人がほとんどだ。
しかし、ハナの場合は違う。婚約者に対する愛情は無い、でも結婚しなければならない。イスラム社会における「禁忌」を犯した彼女自身の責任と言われれば、確かにそうかもしれない。それでも愛していない人と結婚しなければならないという現実は、ただただ悲しい。
私はガイドが話してくれた彼女の「秘密」を聞きながら、彼女が婚約者について話していたときの悲しげな目を思わずにはいられなかった。
(文=佐藤 ゆき)
photo:flickr jonrawlinson
佐藤ゆき
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