ちょっとでもクルマに興味があるのなら、積極的にいろんなクルマに乗るべきである。レンタカーも良し、試乗も良しだ。そのクルマそれぞれの個性があり、クセがあり、乗り心地がある。「あのクルマはこうだった」なんて語れるようになれたら最高だ。

ということでチャンスさえあれば片っ端から様々なクルマに乗っている私(記者)であるが、今回語ってみたいクルマは、フランスの自動車メーカー「シトロエン」がこだわりにこだわりまくって仕上げた高級車『DS5』である。

・スッゲー存在感!
行ってみたのは勝どき駅からすぐの場所にあるシトロエン中央ショールーム。キレイな店内にはキレイな受付お姉さんと共に、DS5をはじめ、DS4、C3などなど、現行のシトロエン車が勢揃いしている。しかし、やはり一番目立つのはDS5だ。

パッと見からして圧倒的な存在感。まるで水牛のような力強さ。詳しい紹介はクルマ専門のサイトにおまかせするが、細部まで徹底的にこだわりまくったボディラインは見ていてため息がつくほどである。だが、さらに驚くべきは車内である。

・まるで飛行機!
……なんというかコックピット。これは飛行機のコックピットだ! しっかりと身体を包み込む本皮のシート。なんでも車内に使われている本皮率は99%とのこと。ハンドルも本皮! ダッシュボードも本皮! 小粋なステッチが実にオシャレだ。

さらに! 一般的なクルマだったらドア側についている全席ウインドウの制御スイッチが、天井真ん中に付いている。ハンドルも下部が平たくなっており、これはハンドルというより“操縦桿(そうじゅうかん)”といった塩梅なのだ。

ショールームでDS5のコンセプトをたっぷりと堪能したのち、いよいよ一般道への試乗である。なお、予約さえしておけば試乗可能。買う買わないは別として、試乗できるチャンスは活用すべし!

・日本版DS5のオリジナル機能もある!
スタートボタンを押すと、「ボルンッ」とエンジンがかかる。静かではあるが、これが海外エンジンの音であるかーっ!と密かにテンションがあがる私。と、その時である。チラリとルームミラーを見てみると……

なななななんと、助手席側の外の映像が映しだされているではないか! 実はこれ、日本版DS5のオリジナル機能であり、実はサイドミラーの下に小型のカメラが仕込まれているのである。もちろん後部にもカメラはあり、バック操作の時に補助してくれるのでご安心あれ。

・ダッシュボードから「ニュッ」と透明の板が出てくる!
衝撃はまだ続く。なめらかな発信。キビキビとしたハンドリング。力強い加速……このあたりの詳しいことは、これまたクルマ専門サイトにおまかせするが、ヘッドアップディスプレイなるボタンを押すとダッシュボードから「ニュッ」と透明の板が出てくるのである。

もちろん単なる透明の板ではない。ここに速度やクルーズコントロールの設定、スピードリミッターの作動状況などが表示されるのである。通常の運転ではあまり必要ないが、高速移動時には視線を動かさずに速度などが把握可能で、なによりこのギミックがカッコイイ! ニュッと出てくるのである。ニュッと。

・屋根も開く!
しかも! まるでコックピットのように配置されたボタンやスイッチをいじくってみると、グワーンと屋根の窓、すなわちコックピットルーフが開いたのである。青空が全開! もしも夜なら星空全開だ。このコックピットルーフは運転席と助手席、後部座席の合計3窓をそれぞれ操作可能。

20分ほど走っただろうか。コックピット、コックピットと再三にわたって書いてみたが、運転中の感覚もなんというか高級な飛行機。本皮の香りがそうさせるのか、実にリッチな飛行機の席に座っている……そんな感じであった。

ちなみにDS5の価格は約400万円。なかなかリアルな数字の400万円であるが、一度でも乗ってみると「こりゃ400万円はするわ……」と納得の高級感とクオリティ。なにより細かなオシャレに対する “こだわり” がハンパない。グウの音も出ないほどに洒落たクルマ、それが『シトロエン DS5』なのであった。

写真:ロケットニュース24

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