自己完結男子、という言葉が注目を集めていますね。家事は難なくこなし、休日は、趣味に没頭したいので、ひとりで過ごしたい。結婚もしなくていい、というスタンスの男性を指すそうです。こういった男性が増えると困る女性も多いでしょう。

三十路ともなると、同年代で、なおかつ魅力的な男性はほとんどが既に結婚してしまっています。よって、数少ない同年代の魅力的男性と懇意になるのがただでさえも大変だというのに、その僅かな男性たちが、自己完結してしまっては、女性側としては打つ手がありません。

「年の差婚が流行っているじゃないか!」という人もいますが、ひと回り以上も年下のピチピチした若い男性をゲットするなど、ほしのあき級の容姿を兼ね備えていなければ難しいでしょう。逆に、アラカン(around 還暦)男性を薦める人もいますが、これまた芸能人ならまだしも、我々一般人にはまだまだ浸透していない結婚のカタチです。

話を元に戻しましょう。自己完結男子が増殖していくのをただボケッと見ていても仕方ないので、何か打つ手はないのか?  まず、家事に関していえば、そもそも「配偶者に家事をやってもらうために結婚するわけではない」のですから、「家事が出来るから結婚しない」というのはナンセンスですね。

とはいえ、「結婚したら、家事とかダンナさんの身の回りの世話は全部アタシがやってあげたいの!」という女性が流行らないことは、火を見るより明らかです。かといって、家事全般を男性に全て任せたいという女性がモテるわけでもないでしょう。

よって、シンプルに、「自分のことは自分でする!」というスタンスが良いかもしれませんね。ですが、一緒に住んでいると、そのへんの線引きがあいまいになってしまうものです。そう考えると、別居婚が理想的かもしれません。といっても、あまりにも離れた距離に住むのは、夜の夫婦生活を営むうえで不便です。ですので、同じマンションの隣同士に住むのがベスト、ということになります。

次に、趣味について。こちらが理解できる趣味なら、アイドルのおっかけだろうとプラモデル製作だろうと、同居していてもイライラすることはないでしょう。しかし、どうにもこうにも合わない趣味もあります。

私事で恐縮ですが、音楽をいっさい聞かない無音派の私は、ヘビメタロックファンの男性が就寝前に大音量で流す音楽に耐えられず、早々に関係にピリオドを打ったものです。もちろん、ヘビメタロックが悪いという意味ではありません。相手の趣味が、合うか合わないかということです。ですが、自分の嗜好に合わないからといって、やめてくれというのは、あまりにも身勝手です。よって、やはり別居婚が望ましいという結論になります。

尚、自己完結男子には、もう一つ別のタイプが存在します。家事や趣味どうこうではなく、ただ単に「自家発電によって、自分の栄養をまかない、自己完結できる」光合成タイプのことです。植物は、動物のように、他の生物を食べなくても、自分で養分を作り出すことが出来ますね。

要するに、自給自足で自己完結できるということは、性行為せずとも自慰行為で性欲処理できる男性ということになります。女性側も、同じタイプの光合成女子ならまだしも、そうでない場合は、光合成タイプの自己完結男子は合わないでしょう。

以上を踏まえると、「家事ができ、趣味を大事にしたい」タイプの自己完結男子に惚れてしまったら、「別居婚に興味がある」ということをほのめかす。光合成タイプの自己完結男子に惚れてしまったら、自分も光合成女子になる。後者のほうは、個人の性欲の強さにもよりますが、かなりハードルが高いので、自分は光合成できないと思ったら、潔く諦めましょう。

恋愛コラムニスト:菊池美佳子