4月13日、北朝鮮が「衛星」を発射した。衛星と称してはいるもののミサイルではないかと見られている。国の威信をかけたものの発射後約1分で空中分解したと報じられた。

「漫画の世界かよ!」とツッコミたくなるが、現実はそんな笑い事では済まされないようだ。打ち上げにかけたれた費用はなんと国民の1年分の食糧相当額だったというのだ。その額が一瞬にしてチリと化してしまったのである。

韓国メディアが報じたところによると、「衛星」、発射用ロケット、実験場の建設費など打ち上げに関して合計で8億5000万ドル(約690億円)かかっていたそうだ。その690億円が1分で空中分解、灰となってしまった。

この打ち上げに使われたお金があれば、米141万トン、トウモロコシ250万トン、小麦212万トンを輸入することができる。この量は、現在、北朝鮮の1人あたりの配給量から計算すると全国民1年分もの食糧に相当するそうだ。

また昨年の食糧の情況から見ると、ミサイル発射にかけられた費用の半分でもあれば、お腹いっぱいとまではいかなくても食糧難の解決できるレベルの食糧を輸入することができたと見られている。北朝鮮は飢える国民を尻目に多額の軍事費用をかけているとはよく言われているが、具体的な数字を見せられると戦慄が走る。

ミサイル発射後、北朝鮮でも「衛星は軌道には入らなかった」と事実上の失敗を認める報道がなされたそうだ。だが、成功していたとしても国民には一体何が残ったのだろうか。何ともやるせない。

参照元: heraldm.com(韓国語)