クリスマスと言えばアメリカでは家族と過ごす日、日本では恋人と過ごす日という印象が強いが、中国ではどうなのだろうか。
中国の中でも外国文化の受容に寛容な上海に潜入してみた。上海と言えば美しい夜景でも有名だ。さぞロマンチックなクリスマスを過ごしているのだろうかと思いきや、人ごみの中で人々は踊り狂っているわ、手持ち花火を始めちゃうわ、珍妙なモノ売りがでるわと、訳のわからない状態になっていることがわかった。
上海は戦前から多くの外国人が住んでいたこともあり、中国の香港・マカオを除いたいわゆる大陸地区の中では外国文化を最も受け入れやすい土地のひとつだと言える。記者が赴いたのは中国・上海一の繁華街である南京東路(なんきんとうろ / ナンジンドンルー)だ。南京東路はデパートなどが立ち並び平日でも多くの買い物客でにぎわっている。
だが、クリスマスイブの南京東路は一味違った。異常に混雑しているのである。確かにクリスマスバーゲン目当ての買い物客も多い。だが、ただ多いだけではなさそうだ。人の流れがどうもおかしいのである。
人をかきわけつつ南京東路を進んでいくと、道のド真ん中で踊り狂っている集団がいくつもあるではないか。そして、その周りを多くの観衆が取り囲んでいる。
社交ダンス大会や、どこかの少数民族風の民謡&ダンス、聖歌の中国語版と思われる歌を歌うじいさんまでいる。これらのストリートパフォーマーに野次馬がつき、さらに野次馬から飛び入り参加する者まで現れる始末である。
東京で言うなら、年末の人だらけのアメ屋横丁のド真ん中で踊り狂う集団がいくつもあるような感じだ。まず考えられない光景である。
もう一方ではなぜかカップルが人ごみの中で花火をしている。手に持った花火をくるくる回してみたり、互いの花火をくっつけてみたり楽しそうだ。ライトアップされた繁華街での花火はキレイかもしれない。だが、どう考えても危険行為だ。
そしてほど近くでは、その花火を売りまくるおばちゃんをはじめ、日本でもふた昔前くらいに見たようなパーティグッズを売りさばく珍妙な路上販売もワンサカいる。
日本の繁華街で同じことをしたら確実に迷惑行為認定だ。日本人から見ると混沌としていて阿鼻叫喚状態だが、本人たちはもちろん周りの人も楽しそう。深すぎる懐には全く驚かされてしまう。
街はクリスマスと正月がいっぺんに来たみたいに盛り上がっていた。何かわからんが、とりあえず楽しんでおこうというのが上海式クリスマスなのだろうか。
photo:rocketnews24
▼人多すぎ!
▼社交ダンス、どんどん参加者が増えているよう
▼でもおかげでスゲー混雑
▼人ゴミの中で花火をするカップル、危ないって
▼その花火を実演販売するおばちゃん
▼おっちゃんは体を張ってパーティーグッズ販売中
▼右はツリー、左は来年の干支「龍」、にぎやかなことこの上ない