学校の卒業式においての「君が代斉唱」と「起立」に反対する教師のことを、一部では「不起立教師」と呼んでいる。また、一部の不起立教師たちは、この問題のことを「ひのきみ問題」と称することもある。

そして今。しんぶん赤旗が報じた、東京のとある教師についての記事が物議をかもしている。

簡潔に箇条書きで説明すると……
 
・東京のある教師が校長から「君が代」斉唱時に起立しろと何度も脅され、無力感から入院。起立するか、それとも辞めるか……悩む不起立教師。精神科医である野田正彰さんのもとには、同様の相談が相次いでいる。

「君が代」の伴奏を強いられた音楽教師がストレスから胃から出血し緊急入院。動脈の8カ所を止血しなければならないほどの重症だった。このようなストレスを、精神科医の野田正彰さんは「君が代症候群」と呼んでいる。

・精神科医の野田正彰さんは、大阪の教育基本条例案の反対派(よびかけ人)。この条例の7割は「問題教育」の排除に割かれるという。

・条例案は橋下知事が求める「独裁」の教育版と位置づけ。翻訳家の池田香代子さん(上記同様、よびかけ人)は、橋下流のやり方を『ハシズム』と呼んでいる。
 
……というものだ。なぜ、橋下流に反対するのかと言えば、「上意下達と監視の義務。→首長や議会は民意の代表。→政治が教育に乗り出す。」からであるという。ちなみに、政治が教育に乗り出すと、右傾化が始まり、やがて戦争になる!と考える不起立教師も実際に存在する。

この「君が代症候群」の報道に対し、ネットユーザーたちは
 
「国歌を否定するなら公務員辞めろ」
「私立にいけ。能力が高ければ引き取るところもあるだろ。」
「こんな奴らに教育される子供達が可哀想だ」
「学生の卒業式で教師が起立しないとか学生がかわいそうだろ。祝いの席では空気読めよ」
「胃に穴があくほど国家を嫌う人は、公務員になってはいけません。公務員というのは、日本国のために働く人ですから。」
「そんな奴が公務員をやってること自体が問題なだけのような気が。」
「個人の思想信条は尊重されねばならないが、特殊な思想信条を教育しちゃダメ。」
「君が代くらい、起立すればいいだろ…君が代ごときにこだわる教師がバカだよ」
 
などと反応。

また、かつて東京の不起立教師事情を徹底取材、『潜入!!プロ市民集会レポート』というタイトルで6回にわたりルポ漫画を描いたことのある漫画家のマミヤ狂四郎氏によると、
 
「さすがに胃から出血というのはただ事ではないので心配ですが、この手の話は、不起立教師業界ではよくある話です。東京の場合は、石原慎太郎都知事と東京都教育委員会が彼らにとって永遠の敵です。

なぜ憎むのかといえば、2003年の10月23日、式典での君が代斉唱、起立、伴奏などを職務命令として通達したからです。これを彼らの業界では忌まわしき『10.23通達(じゅってんにーさんつうたつ)』と呼んでおり、東京都庁に押し掛ける勢いで猛反対、撤回を求めていました。

しかしながら、東京の不起立教師のリーダーともいえる、カリスマ的な先生が定年退職してから東京のパワーは弱まりました。今は大阪がすごいみたいですね。久々に注目することにします」
 
とのことである。ちなみに、よくこの手の話題が盛り上がっているときにネット界で貼られる一枚の漫画原稿用紙はマミヤ氏の作品。本人のご好意により、いくつかの話の、特に印象的であった名シーンを掲載する運びとなった。(http://goo.gl/uI3Ep)から確認できるので、是非ともご覧になっていただきたい。

まんが:マミヤ狂四郎