米国メディアの報道によると、11月21日の午前に中国広東省のある村で村政府に対する抗議デモが起こったそうだ。

そのデモには「独裁反対」「人権を返せ」など中国国内では禁句になっていそうな単語が多く並び、中国人及び世界の華僑たちの間で話題になっている。

デモが起こったのは中国広東省東海鎮の鳥坎(ちょうかん)村だ。村民が村の不正選挙と土地の違法転売に抗議しデモ集会を行った。

撮影された写真には「独裁反対」「人権を返せ」「腐敗政治には懲罰を」「我々は土地と共に生き共に死ぬ」といったのぼりやプラカードを持った村民が多数映っている。

村民によると、村の党書記は40年以上同じ人物が務めており選挙で票の操作がされている可能性が濃厚だそうだ。また、無理な土地開発のせいで多くの田畑が失われ漁業も影響村民の暮らしを直接脅かしているらしい。

また村民側の独自の調査によると土地の80パーセントは違法に転売されており、元の土地の権利者に支払われるはずの賠償金も7億元(約85億円)村役人が着服している疑いがある。今回のデモはこれらに抗議してのものである。9月にも一度行われているが、今回は2回目とのことだ。

なお、中国国内でもこのニュースは報道されているが、写真なしで「村民400名ほどが集まって村に嘆願書を提出した」くらいの扱い。米国メディアが「デモは3時間続いた」と報道しているのに対し中国では「50分程度で解散した」とされている。

なお、デモについて村側は取材に応じず、付近の村民も「私にも生活がありますから」と語りたがらないらしい。実際、何人集まったのか、また抗議時間はどれくらいだったのかは不明だ。

だが、報道されたことについて中国ネットユーザーは「広東省は香港に近いから香港に学べばいいと思う」「いい傾向ではないか」「デモに参加した村民の身が心配」などとコメント。また「抗議内容は直接の政党批判というより経済的な問題だから報道されたのではないか」と分析しているネットユーザーもいる。

参照元: 看中国(中国語)


▼役所前にて座り込み抗議
▼赤い帽子は、村民自ら編成した「治安維持隊」だ
▼デモ直前の決起集会、少なくともここには400人以上いそうだ