中国江西(こうせい)省九江(きゅうこう)市内の救急センターに3名の小学生が搬送された。全身傷だらけ、中には血まみれになっている子もいたそうだ。3人は建物の2階から転落したらしい。幸い命に別条はなかったそうだが、彼女らはメディアの取材に対しなんと「宿題が終わらなかったのを苦に自殺をはかった」と語ったというのである。
中国メディアの取材に応じたのは黄婉テイ(こう えんてい)さん。10才の小学5年生だ。自殺をはかった日、彼女は宿題が終わらず提出日当日も学校をサボってずっと宿題をしていたそうだ。
6年生の王歓(おう かん)さんと孔歓(こう かん)さんも学校に行かず婉テイさんと一緒に宿題をしていた。だが、丸一日かけても終わらない。そのとき孔歓さんがこう提案した。「死んだらもう宿題をしなくてもいいよね。みんなで死のう」
王歓さんもそれに同調。2人の6年生に対し婉テイさんは最初は死にたくはなかったそうだ。しかし、先生からの罰を考えるとそっちの方が怖くなり、死ぬことを決意。3人で2階から飛び降りたのだという。6年生2人も自殺をはかったことを認めている。
3人が通う学校の校長は「宿題については担任から『3時間あればできる程度の量』だったと報告を受けている」とコメント。また、「警察も子ども達は遊んでいる間に2階に上がってしまい、下りられなくなって飛び降りたと聞いている。あれは自殺ではなく事故だ」としている。
学校側はあくまで偶然の不幸な事故であることをから強調だ。なお、命に別条はないとはいえ3人とも重傷を負い現在も入院中である。
中国の教育現場での子どもへのプレッシャーはすさまじいものである。怪我で済んだのが不幸中の幸いだろう。今回の件を通し、学校の宿題の量と体罰の有無だけではなく、教師と子ども達との日頃のコミュニケーションの有り方についても論議を呼び起こしそうだ。
参照元:華育網 (中国語)