中国の人口は13億人と世界一で、国土は日本の25倍。中国はとてつもなく広くてデカイ国だ。何かと経済発展がいちじるしい都市部や珍事件がクローズアップされがちだが、その広い国土にはもっと多くの人々が暮らしている。
その中で暮らすフツーの若者は何を考えているのだろうか? ある人物が「何でもいいから思ったことを書いてみて」と若者たちに大きな紙を渡し、その思いを目に見える形にしてもらったそうだ。
それぞれの思いを発表しているのは、貧しい農民から出稼ぎ労働者、大学生までさまざまな背景を持つ中国全土の16才~30才の若者たち。真っ白いキャンバスいっぱいにそれぞれの思いを書き出している。たとえば……。
「都市はもっとゆったりと、田舎はもっと加速すべき」
(上海/ コンピュータシステム関係勤務/ 女性 25才)
「中国はもうちょっと民主化した方がいい」
(陝西省/ 大学院生:哲学専攻・雑貨屋経営/ 27才 男性)
「死ぬ前に『ひとつになった中国』を見たい。中国自身についても、中国と世界も一緒になってほしい」
(カナダ/ 学生:法学専攻/ 女性 20才)
「中国の女性はどんどん物質主義化している。僕には持ち家がないから彼女と結婚できない。親も家を買ってはくれない。だからいい給料の仕事がほしい、それが僕の願いの全てだ」
(広東省/ 学生:ソフトウェア開発専攻/ 22才 男性)
「金持ちはいい、でもやっぱり貧しくても自分の家は捨てられない」
(広東省/ 出稼ぎ労働者/ 男性 30才)
「俺は俺の道を行く、他人に指図されたくない」
(河南省/ 農民/ 24才 男性)
英語で書いている人もいれば、誤字だらけのものを持っている人もいる。この国の教育格差を物語っていると見ることができるだろう。なお真っ白な紙をかかげている人もいるが、それは読み書きが全くできないためである。「中国」と一口に言ってしまうと遠くの国に感じられるが、彼ら個人個人の主張には共感できるものもあるのではないだろうか。
「それぞれの民族同士がわかりあうことが大事。さぁ、みんな一緒にお茶を飲んでおしゃべりしよう。もっと仲良くなろう」(北京/ 学生:政治学専攻/ 女性 22才)
参照元: 看中国(中国語)
▼「私は子どもはいらない」(香港/ アダルトグッズショップ店員/ 30才)
▼奇抜なファッションに身を包む青年「大人から見たら悪い奴に見えるかもしれない。でも僕は本当はいい子なんだよ」(美容師/ 17才)
▼ 英語での主張は高学歴の証拠「私たちは迷える世代。私はこの世界に本当に困っている」(広西省/ 大学院生/ 22才)
▼ やはり仕事の機会は平等ではないらしい「どうして田舎には工場を作ってくれないのか。俺達だってわざわざ遠くまで出稼ぎに来たい訳じゃないんだ」(出稼ぎ労働者/21才)
▼白紙なのは文字の読み書きができないからだ「夫と出稼ぎに行きたい。頑張って働いて父さんと母さんを楽にしてあげたい」(青海省/ 農民/ 19才)
▼ 「テレビを見るようになって考え方も変わった。でもそれを実現させる方法がない」(雲南省/ 農民/ 30才)