カンボジアの首都・プノンペンとベトナム・ホーチミン市を結ぶ国際バス。ここ数年で有象無象のバス会社がバンバン参入。熾烈な価格競争、サービス合戦の中、いまも第一線の先頭グループを漂っているのが今回ご紹介する「メコン・エクスプレスバス」である。

関東在住の人なら思わず唸ってしまう「東京空港交通リムジンバス」そのまんまのオレンジカラー。妙齢のバスガイドに弁当(菓子パン)付きでママも納得。迷彩キャップのちょっと怖いおっさんが、六時間ぶっ通しの運転で僕らを目的地へ連れて行ってくれる!

出発三時間後、カジノだらけの煤けた国境地帯に突入。噂によると、この町には日系企業が経営するカジノがあり、そこで「平成の借金王」こと安田忠夫氏がギャンブル案内の傍ら、中卒以上の付き人を募集しているらしい……。バスはここでレストランに横付け。ちょっと早めの昼食となる。

休憩中、迷彩運転手が睨みをきかせていた無人の運転席をなんとなく眺めてびっくり! どこかで見たことのある面々……ハ、ハットリ君!

何回か前、「ホーチミンのドラえもん食堂」を紹介したばかりなのに──。今度はA先生かよ!

気がつけば、今まで自分が腰掛けていた座席の座布団が「GO!GO!マリン」、隣の列が「金と銀」だったりもして、まるでパチンコ屋の送迎バス状態。旅情もくそもいっぺんにして吹っ飛んだのはいいとして、バス会社直営の食堂が出す生春巻はおいしゅうございました。
(取材・文=クーロン黒沢

▼プノンペンのメコンバス発着場

▼微妙に上目遣いのマスコットキャラクター

▼マスコットとは似ても似つかぬ、おっかない迷彩キャップおやじがハンドルを握る

▼迷彩親父休憩中。は! ハットリ君だ! からくり屋敷に来たでござる……の巻!

▼よく見れば、自分が今まで座っていたシートにも……

▼な、何なんだこのバスは!

▼サービスのドーナツセット。途中、乞食少年に強奪されました

▼朝、プノンペンを出て、お昼にはホーチミン到着!