10月31日で閉幕する上海万博は、中国が威信をかけて行った国家的プロジェクト。それに対する批判や非難など、この国では一切許されないはずだ。だが、そんな言論の自由がないなかで、なりふり構わずお上にモノ申すタクシー運転手を発見した!

一見普通のタクシーだが、ドアを開けて中に入ると、何やら手書きの怪しげなビラが目に飛び込んでくる。「EVIL」、「罪悪」と極太マジックで書かれ、さらに「Government has evil(政府は邪悪)」「Government to corruption(政府打倒)」などの文字も。ただし「黒老二」、「yes me」などはよく意味が分からず、少しキケンな香りも漂ってくる。

運転手は「オレは万博会場に住んでいたんだが、補償金として14万9600元(約183万円)を渡されて、土地を追い出された。上海の不動産はすごく値上がりしているから、この金額じゃ新しく家を買うこともできない。仕方がないから女房と娘は女房の実家に住まわせて、オレは毎晩路上で寝ているんだ」と嘆く。

話を聞くうちに、韓国語や日本語で書かれた文書も渡された。日本語の方はやはり政府への不満。韓国語もきっと同じだろう。上海万博の影の部分が垣間見えた気がした。

Photo by Rocket News24 Staff / 本誌記者撮影

▼スペシャルニュースと書かれている。

▼政府への怒りはレッドゾーンへ達している。

▼日本人に書いてもらったらしき手紙。