最近、フランスでは肥満が「反道徳的」だとみなされる風潮が強くなってきているらしく、肥満な人たちへの風当たりがきついらしい。

過剰ともとれるほどの健康マニアで知られるフランスのサルコジ大統領は、政権内の閣僚たちにダイエットを勧め、現在閣僚の約半分がダイエットを実行しているらしい。昨年6月の内閣改造前、サルコジ大統領は閣僚入りを望む人物に、髪型をさっぱり整え、体重を2、3キロ落としてからくるようにと告げたと報じられた。この時、まるまるとした体型だった最後の1人、アンドレ・サンティーニ氏は内閣から外された。

サルコジ大統領は2007年の大統領就任依頼7キロ減量したと言われていて、昨年の7月にジョギング中に倒れたのは、厳しく制限された食事メニューとハードなトレーニングに、仕事から来るストレスが相まった結果だとされた。それにも関わらず、しまいには大規模な「反肥満キャンペーン」の計画さえもあるらしい。

その煽りなのかは不明だが、フランス大手航空会社エアフランスは4月から1人分の座席に身体が収まりきらない非常に大柄な乗客に対し、満席の場合は追加料金を請求することを発表した。乗客が肥満などで非常に大柄だと、シートベルトの金具を隣の席の金具に差し込んで身体を座席に固定するため、2人分の座席が必要になる。その場合1席目の料金の全額と、税金とサーチャージを除いた2席目の正規料金の75%を請求するという。同社の広報は肥満を差別するためではなくあくまでも”安全のための措置”だと説明している。

満席にならなかった場合追加分の料金は返金されるらしいが、日本人の旅行先として常に人気のあるパリ行きの便は満席なことが多いので、あなたが座席1つでは足りないくらい大柄な場合は追加料金を払わされる可能性があるということを頭の隅に入れておいたほうがいいかもしれない。

記者:須久和