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物価が高いことで有名なイギリスでなんと無料で病院の診察を受ける方法がある。これは以前記者がヨーロッパを長期旅行中、ロンドンにて2階くらいの高さからジャンプして左足のかかとを痛めた時のことであった。海外旅行保険も切れていたし、お金もないので病院には行かずしばらく安静にしておこうと思っていたが、英国人の知り合いに「もしかしたら骨折していたら大変だし、お金がかからない方法を教えてやるから行け」と促され、半信半疑でその方法を試してみることにした。

その方法は何の難しい事もなく、ごく単純。目指すは病院の正面玄関、ではなく病院の横や裏側にあるAccident&Emergency(アクシデント・アンド・エマージェンシー)、通称A&Eという入り口。日本でいう救急窓口といったとこだろうか。このA&Eから病院に入った記者は、受付にて左足を怪我して骨が折れているかどうかを見てほしいと伝え、名前と日本の住所、電話番号を書き座って待っていた。もちろん、パスポートも見せた。友人は数時間待つこともあると言っていたので覚悟していたら15分~20分程で名前を呼ばれ最初の診察を受けた。その後、レントゲン室でレントゲンを撮り、また別の部屋に送られ、また別の先生と写真を見ながら話をし、「踵の骨にひびが入っているかもしれないから骨折の専門の先生に診てもらうために予約をとって2日後にまた来て」と言われた。そして二日後。骨折の専門医に同じ事を聞かれレントゲンを見ながら「ま、そんな大事にはいたってないから安静にして歩く時は松葉杖を使えば1週間程で普通に歩けるようになるでしょう」と言われ3分程で診察終了。受付に出せと渡された紙を受付に行って提出し、しばらく待っているとさっきの専門医が来て「あ、もう帰っていいよ」と意外にあっさり記者の英国での初の病院体験は終了した。

思っていたより短時間でスムーズに事は運び、医師やその他病院で働く人たちは皆気さく且つ丁寧で記者にとって英国の病院は非常に好印象だった。そして気になる診察料はゼロ!全くお金も請求されず松葉杖を返しに来いとも言われなかった (もちろん後日、返したが)。国民、または現地に住んでいる外国人ならまだしも、旅行者でさえも無料で診察するとは何と素晴らしいシステムだろうと感激した。

もし、あなたがイギリスを旅行中万が一怪我をしてしまい、さらにお金に余裕のない時は、このA&Eという窓口に行くことをおすすめする。ちなみにA&Eはどこの病院でもあるわけではなく、救急車が送られる比較的大きい病院にあるので事前に調べておく必要がある。

イギリスの救急車。
RYOSouth Western Ambulance 629 WA07RYO