まさにマスクで顔を覆いたくなるような事実だった。私はずっと間違った “マスク人生” を歩んでいたのか? このことをもっと早く知っていれば花粉症になることもハウスダストに悩まされることも、風邪やインフルエンザにかかる回数も格段に少ない人生だったかもしれない。
そう思うと悔やんでも悔やみきれないが、マスクが重宝される今こそぜひ正しい着用方法を周知徹底していただきたい。具体的に言うと「マスクのゴムひもは外側か内側か?」という話なのだが……
・ずっと、ゴムひもが「内側」の人生
私は今まで当たり前のように、ゴムひもが内側(肌側)にくるようにマスクを着けていた。理由はただ「内側にした方がゴムと耳が近い」から。正直、どちらでもあまり変わりはないだろうけど「私は内側派!」と思考停止していたのだ。
──ところが!
・正解は、ゴムひもが「外側」
感染予防や衛生用品アイテムを製造・販売するメディコムジャパンによると……
「ゴムひもを外側に」──というのだ……! ウ、ウソだろぉぉぉーーー!!??
なんてこった……私はずっとマスクを “逆” に着けていたということなのか……!?
・「正しい着用法」メーカーに聞いた
──が、逆に着けたとて、マスクの性能に影響はあるのだろうか? それに、メーカーによって着け方も異なるのでは……。ということで、同社に詳しく聞いてみた。
──マスクのゴムひもは「外側」にするのが正しいんですか?
「はい。主な理由は2つあります。まず1つは、内側にするとマスクとゴムひもの接着面が肌とこすれ、痛みや肌荒れを起こす原因となります。もう1つは、内側にすると『マスク』と『肌』の間に隙間ができてしまい、そこからウィルスや花粉が入りやすくなってしまいます」
──どのメーカーでも「外側」ですか?
「もちろんメーカーさんによって違いますが、先述の理由から外側にするのが主流です。商品に特に記載がなければ “ゴムひもは外側” と考えてもいいでしょう」
──仮にメーカーが指定する着用方法を守らなかった場合、マスクの性能は変わります?
「はい。ウィルスや花粉などの侵入率が4割ほど変わってくる場合もあります」
──4割は大きいですね! では、マスク着用時の注意点はありますか?
「鼻からアゴにかけてしっかり着用すること。あと、マスクを手で触らないこと。マスクを外す時に表面を “つまむ” 人が多いですが、表面部分は、ウィルス・菌・花粉を受け止めている “壁” なので、雑菌だらけです。そこを手で触るのは不衛生です」
──でも、せき・くしゃみをするときはマスクの上から手で抑えるのが良い……と聞きますが?
「いえ、その必要はありません。正しいサイズ、正しい着用方法であれば、せき・くしゃみによる飛沫(ひまつ)がマスクの外へ放出される心配は不要です」
──ちょっとマスクを外したいときは、どうすれば?
「マスクを外すときは、片耳のゴムひもを持って顔から外すようにしてください。医療現場でもそうしています。やむを得ず手でマスクを触った場合、手洗いをしていただければ」
──なるほど~。ちなみに、耳が痛くならないための工夫はないですか?
「平ゴムタイプのマスクを使うか、耳とマスクの間にガーゼなどをはさむ人は医療現場にもいますね。あとは、ゴムひもを伸ばすのも1つの方法ですね」
──え! ゴムひもを伸ばしてしまったら、マスクの “防御力” が損なわれてしまうのでは!?
「ダルダルになるまでゴムを伸ばしたら意味はないですが、多少なら性能に影響はないです。 “耳が痛くならない程度” にゴムを伸ばす分には問題ありません」
──大変参考になりました。メディコムジャパンさん、ありがとうございました。
・正しく着けて、エチケットも大事に
実際にメーカーに話を聞いてみると終始「へぇ~!」と驚きの連続だった。特に、ゴムひもを外側か内側にするかで性能に4割の違いが出てくるのは衝撃としか言いようがない。マスクを使う際はどちらが外側・内側か、きちんと確認されたし。
なお、なにかと過敏になっている昨今なので、満員電車や人混みの中でせき・くしゃみをする際は “ひじの内側” で抑えるなど、マスク着用時のエチケットも意識した方が良いだろう。
参照元:メディコムジャパン
Report:ショーン
Photo: A.R.メディコム・インク・アジア・リミテッド、RocketNews24.
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