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【トイレ】「フタをしてから流してください」がどうしても不安な理由 / 振り返らずに去る勇気がない

2時間前

トイレに入ると、よく「フタを閉めてから流してください」という貼り紙を目にする。理由は明確で、水を流した際に発生する飛沫は我々の想像以上に広範囲へ拡散するから。便器の中だけの話ではなく、目に見えない粒子が空間へ舞い上がるという。

「菌やウイルスの拡散を防ぐためにフタを閉める」という理屈は分かるし異論もない。むしろ賛成だ。しかし……フタをした状態で流すのが、どうしても不安でたまらない。この気持ち、分かってくれる人はいるだろうか?

・フタをして流すのが不安

つまり流れ的にはこうだ。用を済ませ、フタを閉め、水を流す。フタの奥で「ジャーッ」という音が鳴り響く。きっと流れているのだろう。絶対に流れているはずだ。流れていないわけがない。それでも……

ちゃんと流れているか確認できないのが不安である。この状況は「荒野のカウボーイが敵を撃った後、振り返らずにその場を去っていくシーン」とほぼ同じ。銃声がまだ鳴り響いている中で戦場から立ち去るのは美しい……しかし、もし敵がまだ息をしていたら

同じことだ。流れる音が鳴り響いている中でトイレから出て……もし流れていなかったら

飛沫対策が重要なのは分かっている。だが、もし流れていなかったらそれこそ地獄。飛沫どころの騒ぎではないし、職場のトイレならフタを開けた瞬間に殺意が芽生えるだろう。同僚全員を敵に回すことになる。


・葛藤

できれば流れゆく水を目で追い、完全に消え去ったことを確認してからフタを閉めたい。しかしそれでは飛沫対策としては意味が薄いらしい。レバーを引いた瞬間に拡散している可能性があるからだ。

では、フタを閉めた状態で流し、しばらく経ってから開けて確認すればいいのか。理屈ではそうだろう。しかし、その行為にも抵抗がある。

戦いを終えた後にわざわざ戦場に戻る戦士はいない。すでに決着はついたのだ。流れていても流れていなくても、もはや過去の出来事。もう銃……いや、フタには触れたくないのである。

トイレに入った時にフタが開いていることが多いのは、同じ葛藤を抱えた人がいるからではなかろうか。うちの会社のトイレもほぼ開いている。

ただ、流れ(水の勢い)を確認してからフタを閉める私もやっていることはほとんど同じ。後からフタを閉めて「ちゃんと対策しています」風に見せかけるのは腹黒いと自覚している。

いやでも機械も完璧ではない。弘法も筆の誤り。どんな達人や高性能なトイレでも、ときにはミスをすると思うと怖いのだ。

まとめると、結局のところ私は今も迷っている。フタを閉めたままこの場を立ち去るべきか、それとも1度ちゃんと流れているか確認すべきか。銃声の余韻が残る戦場で……カウボーイのように立ち去る覚悟が、まだ私には足りない。


執筆:砂子間正貫
イラスト:Gemini

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