今から2年前。大手デパートの高島屋が販売したクリスマスケーキがグチャグチャに崩れた状態で複数の購入者に届き、ネットを中心に大きな騒ぎになったことを覚えているだろうか?

実は高島屋は炎上の翌年も同じ監修元、同じ製造会社でクリスマスケーキを販売しており、当サイトは実際にこれを注文した。その結果、特に問題はなかったのだが……だからといって今年も何事もないとは言い切れない。

そこで念のため、まったく同じケーキを再度注文してみることにした。

・冬の定点観測

世間を騒がせた2023年のケーキ崩壊事件。しかし、昨年(2024年)私が注文した際は、まるであの騒動が嘘だったかのような完璧な状態で届いたことは既報の通りだ。

高島屋側も相当な対策を講じたのだろう。だが、一度失った信頼を取り戻すのは容易ではない。

「去年はたまたま運が良かっただけではないか?」という疑念を晴らすため、私は今年も同じケーキ、横浜のフレンチバル「レ・サンス」が監修した『フレーズリボンショートケーキ』を注文したのである。

価格は税込み5940円。送料込みで6930円だった。なお、この記事を書いている時点で同ケーキはすでに販売終了しているためご注意いただきたい。

・緊張の開封

説明書き通り、冷凍便で届いた箱を冷蔵庫で解凍すること約10時間。慎重に慎重に、爆弾処理班のような手つきで梱包を解くと……。


こ、これは……!


崩れていなかった。


……と思ったが、上から見ると若干歪んでいるような気がしないでもない。とはいえ、この程度なら許容範囲内だろう。

・損傷なし

ケーキをどっしり支えて保護しているのは、やはりこの紙の土台。わくわくさんが作ったのか? と聞きたくなるようなアナログ感満載の仕掛けだが、その効果は絶大だ。

下に巻いてある保護シートも相変わらず強固である。フィルムではなく、ほぼプラスチック板なのも去年と同じ。

おかげで、この見るからに複雑なフリル状の生クリームは一切崩れることなく、美しく整列している。もはや崩れる方が難しいのではないか? と思わせるほどの安定感である。


味に関しても、変わらず高クオリティで安心した。甘さを控えた上品な味わいの生クリームは、やはり一般的なイチゴショートとは一線を画す。

ただ、イチゴがぎっしり詰まりすぎていてカットするのが難しい。せっかく見事な状態で届いたのに、最終的に自分の手で無残に崩すという、西洋の童話みたいなオチとなったのだった。

・意外な変更点

一点だけ昨年と明確に違うポイントを挙げるとすれば、それはアフターケアの形式である。



去年は商品到着後、しばらくすると高島屋から「ケーキの状態はいかがでしたか?」という確認の電話がかかってきた。もちろん自動音声ではなく、生身のオペレーターからだ。

一軒一軒電話をかけるというその執念に近い対応に、私は高島屋の本気を見た気がしたのだが……。しかし今年、そういった電話はなかった。代わりに届いたのは、不備があった場合の案内メールである。


このことを対応の簡略化と捉えるか、あるいは自信の表れと捉えるかは人それぞれだろう。私にはこれは、高島屋がようやく “グチャグチャ事件” という悪夢を乗り越え、通常運転に戻った証のように思えてならない。

あの騒動から2年。高島屋のクリスマスケーキは、もはや崩れるかどうかを心配する対象ではなく、ただ純粋においしいケーキに戻ったと言っていいのではないか。

現場からは以上だ。それでは皆さん、メリークリスマス!

執筆:あひるねこ
Photo:RocketNews24.

▼今年も崩れていなかった。

▼台座を固定する留め金は全5カ所。今年もガチガチに固定されていた。