雑多なる街・高円寺。北口に伸びる商店街「セントラルロード」は、ちょっとした怪しさも含めて味のあるスポットと言えるだろう。狭い入口を入って行けば薄暗い通りに安っぽいネオンの洪水。押し入れに詰め込まれたような店は見ているだけで楽しい。

そんなセントラルロードを歩いていたところガチ中華っぽい店に謎の表記を発見した。その表記とは「ミニバイキングおかわり自由」。なんと、ランチは+110円(税込)でディナーでも+218円(税込)だという。しかし、ミニバイキングとは一体何なのか? その正体を確認するべく入店してみた。たのもー!

・ガチ中華のサイドメニュー

看板にはメインの注文にプラスするサービスであることも書かれていた。つまりは、サイド的な料理が食べ放題となるシステムのようだが、サイドメニューって店によって違いが大きいのも事実

例えば、上野の「羊名天下 羊湯館」はサイドメニュー食べ放題に唐揚げがラインナップされていた。それ以来、ガチ中華のサイド食べ放題って熱いのではないかと思い始めている私である。


・値引きされすぎ問題

そんなわけで席のメニューを見てみると、ミニバイキングセットにも種類があるようだ。ミニバイキング食べ放題に目玉焼き+半炒飯のプレートがつくセット(+税込438円)なんてのもある。ちなみに、ミニバイキングの単品注文は税込770円だ。セット値引きが尋常じゃないことが判明

特にランチ時の110円なんて今や缶ジュースも買えませんよ。店内メニューを見ても謎は深まるばかり。そこでメイン「麻婆豆腐(税込878円)」にミニバイキングセットを注文。ディナータイムなので合計1096円。特にメインが高いわけでもないんだよな。

・謎を解き明かすべく店の奥へと

さて置き、これで準備は整った。どうやら厨房のカウンター前がミニバイキングコーナーになっている様子。セットだと異常に安くなるミニバイキングの正体やいかに? 行ってみたところ……えー!

思っていたよりバランスが良いじゃないか! おかずは6品だから規模的には確かにミニではあるものの、ザーサイや豆腐、モヤシの炒め物、ポテトフライなどの添え物だけじゃなく、豚足、焼きそばと主役に片足突っ込んでるやつらがいる

さらに、デザートで杏仁豆腐も何種類かあって、当然、ご飯・スープもおかわり自由。これだけでも満足できそうな内容だ。だからこそミニバイキング単品注文は高めなのかもしれない。そんなわけで、ひと通り取ってきて並べてみたところ……

すでに1096円と思えない内容。このおかずのほとんどが食べ放題であることに改めてビビった。ランチタイム(11:00~17:00)だったらこれが988円なんだから、もはや恐れ入ってしまう領域。

・プロの手口

食べてみると、味も本場系。例えば、麻婆豆腐は舌へのシビシビした刺激にガチ感がある。米をかっ込まずにはいられない辛さだが、そのシビ辛がスッと去るため恋しくなる。辛さの出し入れの速度で魅せてくる辺り、手口がプロだ。

ミニバイキングのメニューに関しても、その本場オーラは同様。豚足は素材からすでにという感じだけど、焼きそばも唐辛子が入った四川焼きそば風だった。

なお、店員さんに話を聞いたところ、ミニバイキングの内容は日によって違ったりもするそうだ。しかし、ディナーとランチで価格に応じて内容が変わってるとかはないらしい。ミニバイキングは同じミニバイキング。

よって、ラインナップについては参考程度になるけど、肉とか焼きそば、デザートもあるバランスとコスパの良さは伝わるのではないかと思う。

・穴場か

そんな中華料理屋の名前は『成都』。高円寺に数店舗が展開されている中華チェーンで、私が入ったのは本店であったようだ。

ところで、中国の成都と言えば、麻婆豆腐発祥の地として知られている。やたら辛みが利いていたのはやはり気のせいではなく、むしろこの店のカラーと言えそうだ。

そんなわけで、今回も日本ではないコスパを感じさせてくれたガチ中華のサイドメニュー食べ放題。実際店に入ってみないと内容が分からないだけに隠れているけど、食べ放題価格が高騰するご時世においてコスパ良く食べ放題ができる穴場かもしれない。

・今回紹介した店舗の情報

店名 成都 高円寺本店
住所 東京都杉並区高円寺北3-22-4
営業時間 11:00〜23:00(ラストオーダー22:30)
定休日 なし

参考リンク:中華料理 成都
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.

▼ちなみに、普通の食べ放題もある

▼デザートの中では紅茶味の杏仁豆腐が一番ウマかった

▼店のオススメの辣子鶏(税込1318円)も辛かった