今年も新語・流行語大賞のノミネート語が発表された。

その中に「薬膳」という言葉も入っており、じわじわと注目を集めている。とはいえ、薬膳と聞くと「材料が難しそう」「準備が面倒そう」というイメージもつきまとう。

そこで今回は、AIに助けてもらいつつ、忙しくても手軽に作れるコンビニ材料での薬膳鍋にチャレンジしてみることにした。

なぜか悔しいのだが、これが結果的にすごく美味しかったのである。

・そもそも薬膳とはなんぞや

まず、薬膳という言葉の定義を確認してみる。

一般的な説明によると、薬膳とは「体に良い食材を組み合わせて作る、食事療法の考え方を持った料理」を指すらしい。中国伝統医学(中医学)をベースにしており、その日の体調や季節に合わせて食材を選び、食べることでコンディションを整えるという発想である。

上記の定義を頭に入れつつ、AIに「コンビニ材料で作れる薬膳鍋レシピを考えてほしい」と相談してみた。

ディスカッションを重ねるうちに、最終的には豆乳ベースの鍋に落ち着いた。


AIが提示した買い物リストはこちらである。

・サラダチキン
・豆乳
・きのこ
・カット野菜(キャベツなど)
・カットネギ
・卵(うずら可)
・生姜(チューブ可)

ただ、実際の店舗で材料を確認してみると、微調整が必要になった。

まず、ざく切りキャベツがなく千切りキャベツしかない。仕方なくそちらを購入。

きのこもなかったので「どうしようかなぁ」と棚を眺めていたら、ふと、なめこのインスタント味噌汁が目に入った。

「これ、きのこの代わりに使えるんじゃない?」とその場でひらめき、念のためAIに聞いてみたところ、「いいと思いますよ」と例によって軽いノリで肯定されたので購入することにした。(なんでも肯定する気配があるので多少の不安はあるが……)


さらに、近くの棚にはサムゲタン風スープの素も発見。これを使えば間違いないだろうと一度は心が揺れたが、それだとなんか面白くない気がして、やめておいた。


・調理工程はこうである

改めて購入した商品はこちら。(生姜は自宅のものを使用)


手順は極めてシンプルである。鍋に豆乳150mlと水150ml、インスタント味噌汁の具材と味噌を加え、スープとしてしっかり溶かす。

本来は豆乳を後入れした方が、分離リスクが少ないが煮込む材料がないので先入れでも問題なかった。

千切りキャベツとカットネギを投入。

サラダチキンをちぎって加える。量は鍋のサイズに応じて適当で大丈夫。

うずらの卵と千切り生姜を投入し、全体が温まったら完成。


・なんでだろう……悔しい

見た目は、美しいとは言えないが、果たしてお味は……?


 

なんだこれ、おいしい!!!


もし物足りなかったら鶏がらスープを足そうと思っていたが、豆乳+味噌+生姜の組み合わせだけで十分である。

千切りキャベツは、その形状から、他の具材ともよく絡み、思いのほか鍋に馴染む存在となっている。見た目こそやや異色だが、食感・味ともに違和感はない。

一方でうずらの卵は、今回味付きのものを使用したため、スープとは完全に馴染みきらず、やや独立した存在感を放っていた。味なしの半熟ゆで卵の方が相性いいかも。

そして、今回のMVPとも言えるのが、なめこのインスタント味噌汁によるとろみ効果である。鍋全体もうまくまとめてくれて、いい仕事をしている。

もちろんサラダチキンは、言うまでもなく欠かせない具材である。

七味をかけたり黒酢を加えたりすれば、さらに味が締まり、アレンジの幅も広がる。

すごくおいしいのだけど、なんだか悔しい……。なんだろう、この感情。


・コンビニ薬膳は気軽でかっこいい

結論として、コンビニ材料だけでも手軽でおいしい薬膳鍋(風?)はしっかり実現できる。

ポイントは、豆乳+味噌+生姜の三位一体の味付けと、火通りの早い具材+とろみ要素(なめこ味噌汁)である。

より本格薬膳を目指すなら、クコの実やナツメなどを少し足すだけで雰囲気が一気に高まるだろう。

「ちょっと夕飯用にコンビニ寄るね」と言っておいて、この鍋が食卓に出てきたら、かなりかっこいい。

結局、最後まで薬膳の定義が腑に落ちないのだけど、このレシピに関しては、一度でいいから手軽さとおいしさを体験してみてほしい。

参考リンク:新語・流行語大賞
執筆:夏野ふとん
Photo:RocketNews24.