うおおおおおおおお! 見つけてしまった!! これは凄いのではないか? 凄い……かもしれない! 記者をやっていると発見したこと自体にテンションが上がる瞬間がたまにある。探すのが仕事なので職業病と言えるかもしれない。

でも、そのテンションで持ち帰って、いざ記事を書こうとした時、ふとこう思ってしまうことがあるのだ。「凄いのか?」と。そう、今の私(中澤)である

・旭川にて

まず今回、私のテンションがそんな風に上がったのは、JR旭川駅構内にある『なの花食堂』でのことだった。旭川には何度も来ているけれど、『なの花食堂』に入ったのは初めてである。

なぜなら、旭川駅には別に『旭川駅立売商会』という立ち食いそば屋があって、ここは幌加内産そばというノボリが立ってるくらいコンコースでも目立っているから。おまけにちゃんとウマイ。

・興奮

一方で、なの花食堂は表にラーメンのノボリが立っていて、しかもお土産屋の奥まったところにある。ゆえに、立ち食いそば好きとしては旭川の駅そばと言えば『旭川駅立売商会』という頭になっていたわけだ。だが、今回試しに『なの花食堂』に入ってみたところ、そばもあるじゃないか。っていうか……


ざるそばがある!


いや、それどころか……



江丹別産だ!!


駅グルメでざるそばがあること自体も珍しいのに、さらに名産地・江丹別産とな!? そして、何より……

・戦争

1つの駅構内に幌加内産そばと江丹別産そばという2大ブランドがせめぎ合っている。そんな『なの花食堂』の「ざるそば(税込650円)」を食べてみたところ、つゆは鰹の味しつつ、そばは結構太めで噛み応えがしっかりしていて、味的にも『旭川駅立売商会』の幌加内そばとちゃんと方向性が違う。戦争や!

駅そばが少ない北海道の真ん中、旭川駅で何かが動き始めとる……!! あわわ、どえらい事実に気づいてもうた……! 旭川まで来た甲斐があったでえッ!! って……

その情報誰が知りたいねん


記事を書こうと持ち帰った画像を整理している時ふと思った。「いや、この人旭川まで行って何にテンション上がってんの?」と。今だから言えるおかしくなっていた

・悲劇

江丹別は旭川の隣だから、地理的に言うと江丹別産そばがあるのも当然だ。また、幌加内は江丹別の隣なので、これも地理的に言うとあるのは当たり前である。

取材時の自分のテンションの意味が分からない。冷静になると目線がマニアックすぎるのだ。事実、立ち食いそばのことを友達に話すとよく言われるセリフ1位は「それ凄いん?」である。立ち食いそばの連載『立ち食いそば放浪記』を370回も続けたために起こった悲劇と言えるだろう。

ただ、そんな今でも、同じ駅に幌加内産そばと江丹別産そばの店があるのは、駅そば的観点で言うと面白いと思う。旭川駅に行った際は食べ比べてみるのも良いかもしれない。

・今回紹介した店舗の情報

店名 駅ナカ食堂 なの花
住所 北海道旭川市宮下通8-3-1 JR旭川駅構内 1F
営業時間 10:00~18:30
定休日 水曜日

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.

▼ちなみに、なの花の名物は「学生焼きそば(税込590円)」。コスパが良いと話題の一品である。