大雨の日、道を歩いていたところ隣の人の傘がバーン!ってなってた。それを見て私(中澤)はこう思った。「傘って無力すぎないだろうか?」と。台風が来たら、傘バーンを回避したとて横殴りの雨には確実にやられる。傘の意味って……。

このやるせなさなんとかならないのか。近年、スーパー台風も登場して台風は昔より激化していることがNHKでも報じられているのに、売っている傘はむしろ貧弱になっている。おかしくない?

・なんとかしなければ

そんな話を傘バーンでびしょ濡れになった同僚・御花畑マリコ記者にとうとうと説いてみた。ちなみに、御花畑マリコ記者は既婚者。つまりは人妻だ。人妻がびしょ濡れになっている。大変だなんとかしなければ。

うんうん、分かるよ、その気持ちは。なぜなら、このことにはみんなうんざりしてるからさ。要するに、これは僕たちが抱える課題だと思うんだよね。確かに、災難に見舞われたのは君だ。でも、今2人が向き合うべきことはこの問題をいかに解決するかということなんじゃないかなあ……と、その時!

1枚の紙を差し出す御花畑マリコ記者。そこには絵が描かれていた。傘を持った人……なんだけど開いた傘の外枠に沿ってシールドみたいなものが展開されている。

・言われてみれば

確かに傘の横がノーガードすぎるのが問題なのかもしれない。ならばそこを守ればいいだけの話や。ヒャッハーこいつは目から鱗だぜェェェエエエ!!


御花畑マリコ「いや知らんけど」

・作ってみよう

そんなわけで検証してみることにした。近所の工具屋に行きこのアイデアを実現できるものを探し、購入したのはプチプチ。透明な素材で簡単に加工できて、さらに足元まで覆えるサイズとなるとこれしかなかった。

さて、これをどうやってツルツルの傘の端に固定するかだが、ボンドとかテープだと風に煽られた時に外れそうである。そもそも相手は雨と風だしな。そこでネジ止めすることに。

大きいとビニール素材の方がもたなさそうなので小さいネジを購入。これで破損系の懸念は払拭できるはず。私はガチで御花畑マリコを守りたい。これ以上人妻を濡れさせるわけにはいかないのである

・誤算

だが、いざ作業に取り掛かると別の問題が浮上した。傘の側面に壁を作る構造上、ビス止めのポイントを横から確認するのが難しく、壁の内側からか外側からの一面からしか作業できないのだ。ゆえにビスの受け手側が見えない。

そこで私が傘の内側からビニールにビスを刺し、御花畑マリコ記者は外側でビスを締める係に分かれての共同作業に。心を1つにしてビスを1本1本締めていく。しかし、その細かすぎる共同作業ににじむ疲れ


時には罵倒の言葉が飛び……


時には笑い合い……


ついに完成した。


これぞ傘の進化系! 人妻を絶対に濡れさせない傘、ここに爆誕!!

・検証してみた

と、その時、ポツポツと窓を濡らす雫。雨だ! さっそく検証できるタイミングがキターーーーーー!!


行くで行くで行くで!


傘閉じれないからそのまま行くで!


もうすぐ外だァァァアアア!


しゃおらあああぁぁぁ!


かかってこいやーーーーー!


まだまだ行くでェェェエエエ!


_人人人人人人人人_
> 普通に濡れる <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄

・また救えなかった

状況を整理すると、歩くことによって巻き起こる風だけでビニールが流されてガードがなかったことになった。風は別に強くなかっただけに断言できる。台風では使えない。御花畑マリコ記者も確認したいとのことなので、自ら検証してもらったところ……


人妻、濡れてしまう。

結局、また救えなかった……。何度繰り返しても人妻が濡れてしまう……! お、俺は……俺は無力だ!! なんて無力なんだァァァーーーーー!!!


風の中のすばる──


砂の中の銀河──


みんな何処へ行った──


見送られることもなく──


そして、100年の時が流れた──


──お母さん、これなあに?


──これはね、人妻を絶対に濡れさせない傘って言うのよ。


──人妻を絶対に濡れさせない傘ってなあに?


──私達が生まれるずーっと前にね、お空の遠くにある故郷の星で人妻が発明したものなのよ。


──僕知ってるよ! マリコだ!! でも、なんでそんなに守れるようになったの?


──それはね、みんなを愛で包んでいるからよ。


──へー! スゴイや!! 僕も人妻を絶対に濡れさせない傘になってお母さんを守る!


──あらあらウフフ


\は! 夢か……。/





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執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.

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