2025年9月8日、あのペヤングから驚愕の新商品が販売された。その名も『ペヤング一贅沢やきそば 本物の松茸』

何に驚愕したかというと、カップ麺界隈最高額クラスの税抜800円(税込864円)という価格。ペヤングでは過去に『超超超超超超大盛り ペタマックス』という1000円を超える商品も販売されていたが、通常サイズでこの価格帯は前代未聞といってもいいだろう。

通常の「ペヤングソース焼きそば」の約4倍という強気な価格設定を見た瞬間、思わず手に取ってしまった。これは期待が高まるばかりだ。果たして、その実力はいかに? そして、低価格帯で同じ味を再現しようと試した結果、とんでもない事態に発展してしまった──。

・パッケージから漂う高級感

まず驚くのは、黒を基調とした上品なパッケージデザイン。まるで高級食材を扱う料亭の包装のような豪華な装いだ。


そしてカップ麺コーナーでは、あまり見かけることのない高額な値札が目を惹く。


この価格設定の根拠は「本物の松茸」にあるらしい。単なる香料ではなく、乾燥味付松茸が大量に入っているという。さっそく購入し、自宅で実食することにした。


まず「栄養成分表示」に目を向けると、決して低カロリーとは言えないが、通常の「ペヤングソース焼きそば」に比べれば、496kcal、脂質22.9gとややヘルシーな数値である。


次に原材料だが、使用している麺は「油揚げめん(小麦粉(国内製造))」。表記を見る限り、これは他のペヤング製品と同じだ。


パッケージを破ると、水色と白の湯切り蓋が姿を表す。これだけを見ると、通常のペヤングと全く変わらない見た目である。


しかし、かやくの袋を開けてみると、予想をはるかに上回る松茸が大量に入っていた!


乾燥した松茸が袋にギッシリで、「本当に本物の松茸を使っているんだな」と実感せざるを得ない。

ちなみに作り方は通常のペヤングと全く同じ。かやくを入れて、お湯を注いで3分待つ。


湯切りをしてソースを混ぜるだけで……


完成!


調理の途中、湯切りの段階ですでにほんのりと松茸の香りが漂ってきた。そしてソースを絡めた瞬間、さらに松茸の香りが増して食欲もMAXに達した。



・カップ麺界隈864円の実力

完成した逸品を前に、しばらく香りだけを堪能する。そして待望の一口!


なるほどね。


麺に絡みついた松茸が、こぼれ落ちそうになるほど豊富に入っている。そして松茸はインスタント食品で体験したことのない、深みのある松茸の風味と独特の食感。香料では再現できない、本物の松茸ならではの味わいが口の中に広がる。


しかし──。


正直に言えば疑問も残った。この上品な松茸の風味は、いつものペヤングの麺と果たして合っているのだろうか? 松茸の高級感とカジュアルなペヤングの麺の組み合わせは、どこかちぐはぐな印象を受けた。例えるなら、高級懐石料理の一品を学食で食べているような、不思議な気分だった。


とはいえ、松茸の量は本当にすごい。食べ進めても、一口に必ず1枚は松茸が入ってくる。


そしてソースは「かつおだしのソース」とのことで、あっさりとした味わいで、松茸の風味を損なわないよう工夫されていると感じた。


また最後に待っている、ペヤング好きなら誰もが知っている「ゴールデンタイム」。食べ進めて量が少なくなると、ソースと具が底に溜まり、味が凝縮される瞬間だ。この最後の一口で、真価が問われることも多い。


しかし、この『ペヤング一贅沢やきそば 本物の松茸』に関しては最後まで印象は変わらなかった。確かに松茸の風味は濃くなったが、それが「格別に美味しい」という感動につながるかというと、そうではなかったのが正直な感想だ。



・松茸味に近づけるべく魔改造してみた

実食が終わり、ふと思いついたのが「もしかしたら、もっと安く松茸ペヤングが再現できるかも?」という発想だった。

そこで購入したのは、通常の「ペヤングソース焼きそば」「永谷園のお吸いもの(松茸の味)」だ。


通常のペヤングの麺は変わらないのだから、松茸風味が売りの永谷園のお吸いものと融合すれば、本物の松茸はないものの、近い風味が再現できるのではないか? という仮説のもと、検証することにした。


さっそく調理開始。ペヤングはかやくのみ入れて、ソースやスパイスは使わない。


お湯を入れて3分待った後、永谷園のお吸いものを投入して……


全力で混ぜる。


そして、魔改造版 “ペヤング松茸風焼きそば” が完成!


さて、検証結果はいかに……?


味、薄っ!


松茸の風味どころか、ほとんど味が感じられない……ということで、「追いお吸いもの」で味を足してみることに。


今度は松茸の味を再現できるのか……?


驚くほど美味しくない……


お吸いものだと、あれだけインスタントとは思えない松茸の香りを醸し出しているのに、カップ焼きそばに混ぜると松茸とは全くの別物で、何に例えたらよいのか分からないほど、衝撃的な味に仕上がってしまった。

まぁ、お吸いもの用に作られているものだから、当たり前の結果だろう。安易な考えで試した私が浅はかだっただけだ。



というわけで、『ペヤング一贅沢やきそば 本物の松茸』は、カップ焼きそばで松茸の風味を最大限に味わえる、唯一無二の商品と言って間違いないだろう。

ただし、税込864円という金額がそれに見合うかどうかは個人の価値観によるというのが、今回実食した感想だ。私個人としては、味の調和という点で改善の余地があるように感じた。松茸の風味を活かしつつ、麺が主役のペヤングらしさも残すには、そのバランスをとるのがなかなか難しいのかもしれない。

ちなみにペヤングの「贅沢やきそばシリーズ」は、今回で3商品目。前回は「蟹トマト味」で税抜500円だった。次回作はどんな味で、さらに高い価格での販売になるのか? 気になるところである。

参考リンク:まるか食品 
執筆:耕平 
Photo:RocketNews24.

▼この松茸の量はハンパない