今年も始まったファストフードチェーン各社による月見戦争。コメダも9月3日から月見系メニューの提供を開始した。恒例のフルムーンバーガーもある。

しかし、今年はバーガーに新商品は無いようなのでスルー。今年注目すべきは、やはり新型のシロノワールとクロネージュだろう。

・マロン

新商品として投入されたシロノワールとクロネージュの名称と価格は以下の通り。コメダでは店舗によって価格が変わり、また、取り扱いが無い場合もある。


お月見シロノワール キャラメルマロン 880円~940円(税込),ミニサイズ680円~740円(税込)
お月見クロネージュ キャラメルマロン 730円~790円(税込)


おや? 月見系だが、そのビジュアルに玉子の要素はないもよう。コメダによる2025年の月見系スイーツは、キャラメルマロンが武器のようだ。

両方をオーダーし、届いたのがこちら。


まずはシロノワールからみていこう。


なるほど。これがマロンクリーム。美味しいのだとは思うが、この質感のクリームを、この太さでボテっととぐろを巻かせるのはリスキーな気がする


2020年にゴディバコラボで出した「ショコラノワール」の時と同じ悲劇、あるいは喜劇に繋がりかねない。まあ、あれはあれで、ウケてバズったので良いと思うが。

今回は色が薄茶色なので、私には一瞬、沖縄県のやんばる地区に見られる、通称ヤンバルヤマナメクジが這っているかのように見えた。

いやでも、ここはティファニーじゃなくコメダだしな。私の見解だが、コメダにシロノワールを食いに来る層は、何かしら面白いビジュアルをしている方が喜ぶ気がする。

ソフトクリームはいつも通りだが、トッピングは茶色いクッキーだ。そして、ソフトクリームに混ざってわかりづらいが、キャラメルソースがかけられている。


コメダは一時期、シロノワールのトッピングにフィアンティーヌをよく使っていた気がするが、正直あれは味が皆無のビジュアルのみなアイテムで微妙だった。クッキーなら味と食感の両面で期待できそうだ。

デニッシュ内部には何も仕込まれていないタイプ。


食べてみると、これはだいぶ荒々しいタイプのモンブラン……! 一般的なモンブランを、適当ないい所育ちのお嬢様とすると、こいつはデトロイトから帰ってきたモンブランみたいな。

まず、品とか繊細さを捨てた、量と粘度で殴るタイプのマロンクリームによるマロンフレーバー。ソフトなスポンジ生地のかわりにハードなデニッシュ生地。ソフトクリームとキャラメルソースが、これでもかと糖分をアド。

デニッシュの摩擦みある食感にクッキーのザクザク感が加勢し、ジャンク感が増している。これはまた、コメダの遺伝子が強く出たタイプの新作が来たな……! 私は嫌いじゃない。


・バランス

続いてはクロネージュだ。


まあ、クロネージュは基本的に生地がココアバウムになっただけで、特別言及するようなポイントは無い……と思わせて、今回はこちらの方が本命かもしれない。


このココアバウムは、ココア風味も甘さも強い。色々トッピングされていても、強すぎるココアバウムが全てを持っていって代わり映えに不足を感じるパターンが多い。

しかし今回の共演相手はデトロイト帰りのマロンクリーム。やはり大型ナメクジのごとき太さでヒリ出され、強気にとぐろを巻いているが……それが奇跡的な結果をもたらした!!

このマロンクリーム、ココアバウムと完全に拮抗している。これはクロネージュの誕生以来、構成する風味のバランスが最もとれたものの一つではなかろうか。

しかしコメダのクリーム量は店員次第。このクロネージュは、マロンクリームをたっぷり盛らないとココアバウム優勢となり、結局はココアバウム味が全てを塗りつぶしてしまいかねない。

しっかりマロンを盛られた場合は美味いマロンココアバウムになるが、少ないとココアバウム(ちょっとマロンが漂うかも?)味になってしまいそう。マロンクリーム多めの場合、このクロネージュはお勧めです。

参考リンク:コメダ珈琲店
執筆:江川資具
Photo:RocketNews24.