一部のイトーヨーカドー内に『ポッポ』というフードコートがあること、その名物が『フライドポテト』であることを、あひるねこ記者が以前書いた記事で知った。地元にも上京後の生活圏内にもヨーカドーが無かったので、私は一度もポッポを見たことがない。

先日、郊外の大きなヨーカドーを訪れたが、残念ながらポッポは無かった。代わりにマックがあって、みんなマックのポテトを食べていた。ポッポを知らないのになぜか切ない気持ちになった。

が、しかし!!!! なんの因果か『冷凍のポッポ・ポテト』が売られているのを見つけたぞ! 急いであひるねこ記者に報告だァ!!!!

・これが噂の

その名も『ポッポのポテト』は500グラム入りで税込429円。

ものすごい量が山積みされているところを見ると、かなり期待の新人なのだと推測される。「ポッポのポテトと共に青春を過ごした」と語る人を何人か見たことがあるので、そういう層にとっては激アツなのだろうな、きっと。

なお惣菜コーナーには『揚げたポッポのポテト』(税込351円)も売られていた。おそらくこのポテトを入れるカップが、思い入れのある人にとってはテンション爆上がりアイテムなのだろう……共感できない自分が憎い。

ただ惣菜ポテトは移動中に冷えてしまうことが明らかなので、私はおとなしく冷凍ポテトを購入。あひるねこ記者の笑顔を想像しつつ、事務所のドアを勢いよく開けた。おっはよーー!!!!


…………ン!?


・ -救世主 メシア- 登場

ヤラセみたいな展開なのだが、現在あひるねこ記者は早めの夏休みをとっていて、次の出社は1週間後らしい。人生はなぜこうも上手くいかないのだろう。私は一体何のために、冷凍ポッポと油を抱えてここまで来たのか? 対抗して今日から2週間の夏休みに突入してやろうか?


……とか落胆してたら!!!


私の落胆ぶりを見ていた羽鳥編集長が「自分はポッポに並々ならぬ思い出がある」と言い出した!!!

さらに、そのやりとりを見ていた佐藤記者が「俺も取材でポッポに行ったことがある」と言い出す流れに発展したのである!!! なんて豊富な人材が揃っているんだ、この職場は!!!!!


ちなみに一連の流れを盗み見ていたサンジュン記者(千葉県出身)と砂子間記者(埼玉県出身)の反応は「ポッポとは……?」みたいな感じだった。同じ関東でも、ちょっと住むエリアが違うだけでポッポに対する認識率は大きく異なるようだ。


・ポッポ知識ゼロでいく

ポッポの味を知る人材が確保できたので、さっそくポテトを揚げていこう。

これで1袋全量。トースターで焼く方法も記されていたが、ここはノーマルに油で。

ジュワッチ!! アチチチチ!!!!! パッケージには「一度にたくさんのポテトを揚げるとカラッと揚がらない恐れがある」との注意書きが。なるほど、少なくともポッポのポテトは「カラッ」としているのだな。

170〜180℃で約3分。カラッとしておいしそ〜!

形状としてはモスやケンタより「マックのポテト」に近い雰囲気である。ポッポのポテトを食べたことがない私にできるのはただの食レポであるが、せっかくなので食べとこう。

なお、レシピには「塩をふる」という工程が記載されていなかった。「ポッポのポテトは塩をふっていないのが特徴」という可能性もあるので、このままいただくことにする。

フ〜〜〜ム。塩気のない、しかしカラッと揚がったポテトだ。マックのポテトと比べると、中身がしっかり詰まってしっとりした感じ。蒸したメークインを想像していただければ近いと思う。とってもおいしいデス!

とはいえ……揚げたてのフライドポテトって、まぁ、この程度おいしいヤツも珍しくない気もする。ポッポ素人の私に言えるのはここまでだ。


・ポッポってつまりこういうこと

ってことで早々にポッポ有識者にバトンタッチしよう。

話をするうち判明したのだが、かつて近所に住んでいた羽鳥編集長が足しげく通っていたヨーカドーと、今回私が冷凍ポッポを入手したヨーカドーは、偶然にも同じ『イトーヨーカドー国領店』らしい。調べたところ国領店のポッポは5年くらい前に閉店した模様。


ときに羽鳥さん、お味は……?


羽鳥「こんなんだったと思う! 懐かしいな〜〜〜!!!」


「こんなんだったなァ」を連発し、昔を懐かしむ羽鳥編集長。ただ「さすがに塩は振ってあったと思う」とのこと。セルフで振ってもらった。

羽鳥うん、こんなんだった!!!!! こんな何の変哲もないもんなんだよ、だってフードコートのポテトだもん。でも懐かしくて無性に食べたくなる……それがポッポなんだなァ」


ポッポに何の思い出もない私だが、今はなき地元のスーパーで幼いころ食べたソフトクリームやたこ焼きに置き換えると、羽鳥さんの言っていることがよく分かる。

どんな味だったかよく思い出せないし別にメチャクチャおいしかったワケでもないけど無性に食べたいもの……それがフードコートのメニュー。人によってはそれがポッポなのだろう。


いい感じにまとまったので、もはや取材でポッポを数回訪れただけの佐藤記者の意見はあまり必要ない気もするのだが、せっかくなので食べてもらったところ……

「うん、こんなんだった」とのことだ。思い出は浅くても同じ感想に行き着くもの……それがポッポのポテト。

現在ポッポは国内に24店舗が営業中なので、興味がある人は実店舗と冷凍を食べ比べてみるのもいいだろう。「別にそこまでしなくていい」という人はお近くのイトーヨーカドーで冷食コーナーを探してみてくれ!

執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.

▼残ったポテトはみんなでおいしくいただきました