おい、急に暑くなりすぎだぞ、地球。「梅雨の中休み」ってこう、もっと爽やかな晴れの日が続くはずじゃなかったのか? 熱帯雨林のスコールみたいなドカ雨とか降るし、どうなってんだよ! このままじゃ、夏が来る前に夏バテになっちまうじゃねえか。すでにスタミナ不足で本当に夏を迎えられるかさえ怪しくなってきているのに……。

そんなタイミングで、とんかつチェーンの「松のや」がナイスな実験メニューの提供を開始していた。それはうなぎの蒲焼きととんかつを一緒にのせた「うなかつ丼」である。

助かる~! こういうのがあれば、夏を乗り越えられそうだ! と思ったのだが、店舗に行ってメニューを見たら、衝撃の一言が!? なんだよそれ、聞いてないよ~ッ!

・お膝元の三鷹

このメニューは、東京・三鷹の松屋本社ビル1階にある、松のや三鷹店限定の実験メニューとして、2025年6月18日に販売開始となっている。たった1店舗とはいえ、うなぎを食べられるのは有難い。


久々に来る松屋本社ビル。さすがお膝元だけあって、この建物の地下1階から2階は松屋のグループが占めている。松屋松のや鮨割烹福松カフェテラスヴェルトの4店舗が入っているのだ。


さらに同じ三鷹駅北口ロータリー周辺には、ステーキ定食松牛マイカリー食堂もある。他社のブランドを寄せ付けない最強の布陣が敷かれているのである。きっと松屋の社員の皆さんは、お昼時にこれらのお店をローテーションしているのではないだろうか。


・まさかの一言

さて、松のやに入店して券売機のメニューを見てみると、「店舗限定のおすすめ」にお目当てのものがあった。


が! 「まもなく終了!」だと!? ちょっと待て、うなぎといえば夏だろ。夏が来る前に終了するのかよ。聞いてないよ! 今夏のスタミナ供給に活用しようと思っていたのに、梅雨の間に終了してしまうなんて。

……いや、待てよ。実験メニューだったな。つまりテスト販売を終了するってことだよな。そうすると今夏は全店舗で本格導入する可能性もある。そうなることを祈りつつ、まずは今日の昼飯として頂こう。


メニューはうな丼(税込990円)・ダブルうな丼(税込1680円)・うなかつ丼(税込1380円)の3種の丼ぶりに、単品うなぎ(税込850円)も用意されている。

注文するのは当然うなかつ丼。うなぎだけならヨソでも食える。カツだけでもヨソで食える。うなぎとカツを食べられるお店は、そうそうないはずだからだ。今これを食わずして、いつ食うの? 今でしょ!


・夏を戦う武器なのに……

そしてこちらが実物です。丼ぶりに味噌汁と粉山椒がついている。


丼ぶりにはうなぎが半尾とロースかつが2枚。それに錦糸卵とみつ葉、それからきざみのりがあしらわれている。


本来であれば、ロースかつは松のやの主力だ。無論、そのポテンシャルは松のやの看板を背負って立つほど高いのは、いうまでもない。


しかし今回は主役ではない。たとえ、ひと口で日頃の疲れを癒すほどの美味しさを持っていたとしても、脇役なのである。なぜなら……。


タッグを組んでいるのはうなぎの蒲焼きだからだ。さすがにうなぎの前では、ロースかつもセンターを譲らざるを得ないだろう。仮にうなぎが中国産であったとしても、暑い日に食べるうなぎの美味さには変わりないのだから。半尾でもその満足感はロースかつの比ではないのである。


軽く山椒を振りかけてご飯と共に口の中に放り込めば、フツフツと身体の内側からやる気とエネルギーがみなぎって来る。これがあれば戦える! 夏の暑さともきっと戦えるのだよ!


でも! 残念なことにまもなく終了するという。ウソだろ、やっとこの夏を戦い抜ける武器を手に入れたと思ったのに、それをむざむざと失うことになるなんて信じられない……。

松屋さん、実験販売は終了してもいい。その代わりに、7月から本格販売して欲しい。もういっそ、夏季はかつの販売を休んでもいいから、うなぎを売ってくれ。そうしないとこの夏はどうなるかわかんねえよ……。


・今回訪問した店舗の情報

店名 松のや 三鷹店
住所 東京都武蔵野市中町1-14-5
時間 24時間

参考リンク:松のや X
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24