「代替肉」――というものが出回りだしてから、早幾年。


最近では日本でも飲食店冷凍食品なんかに使われたりして、だんだんと人口に膾炙(かいしゃ)してきた感がある。大豆ミートとかね。


……が、先日スーパーで偶然見つけたコレにはさすがに戸惑ってしまった。


ちょっと、ちょっと待って。


「キノコのお肉」って何?


聞いたことなさすぎる。パッケージを見るに代替肉の一種らしいが、キノコが原料ってなかなか斬新な気がする。

というわけで試してみることにした。



店頭には4種類並んでいたが、プレーンと「ごま担々」をゲット。それぞれ321円だった。このほかに「アヒージョ」と「トマトソース」もある。


・キノコのお肉 プレーン

まずはプレーンから。色々料理に使えるっぽいが、とりあえずどんなもんか見てみたい。


開けてみるとこんな感じ。1cm角弱くらいの立方体がコロコロ出てくる。軽く感じたわりに量も多く、写真の量で1/3袋よりちょっと多いかな〜くらい。


ではいざひとくち……。


あ、良い。袋を開けた瞬間は代替肉特有の「植物〜」な匂いがあったものの、食べてみるとあまり気にならない。ほんのり塩味で味の主張は強くないが、キノコの旨味のおかげか そのままでわりと美味しい。


で、なんといっても面白いのが食感だ。けっこうしっかりしていて、チャーシューやベーコンとかの「脂身と赤身が混ざった部分」のジャキッとした食感に非常に近い。



この食感を活かさない手はないだろう。普通の肉のように繊維に沿ってほぐしたり変形させたりは無理そうなので、このまま角切りチャーシュー的な感じでチャーハンとかに入れるといいかも。



・キノコのお肉 ごま担々


よし、今度は ごま担々いってみよう。


開けてみるとこう。



もうちょっと汁っぽいつもりでいたら思ったより濃かった。


というわけで麺を茹でて、



汁なし担々麺みたいにしてみた。混ぜ麺という性質上 見た目が惨憺(さんたん)たることになっているがご勘弁願いたい。



わあ、美味しいねえ。ちょっと水分が足りなくてモサッとしたが、何不自由なくごま担々である。肉不在の物足りなさとかゼロ。ふつーーーに優秀なごま担々である。



こうして見ると、キューブ状のさっきの「キノコのお肉」のほかにも、ノーマルキノコが贅沢に入っているのに気づく。相当な具沢山だ。嬉しい。


あと、それなりに辛い。でもカレーの中辛がギリアウトな筆者にとっての「それなりに辛い」なので、一般的な感覚で言うと辛くない方かもしれない。ごまの風味とキノコの旨みが辛味に負けずに感じられて、非常に美味しい。



・優秀

相当美味しいんですけど。


まず誤解なきよう言っておくと、肉の味がするわけではない。が、キノコそのものの能力のおかげで物足りなさがマジで無い。


旨味の王者なのは言うに及ばず、そういえば食感も楽しいし、言うまでもなくヘルシーだし、相当なポテンシャルを秘めた食材だったんだな。


個人的にはかなり満足だ。今回試さなかった2種類の味も試してみたいし、将来的にはこの立方体以外の「キノコのお肉」も見てみたい。ブロックとか薄切りとかいろんな形で、幅広い料理に使えたら最高である。


参考リンク:キノコのお肉
執筆:砂付近
Photo:Rocketnews24.

▼ちなみに原材料名と栄養成分はこんな感じ。主原料はキノコだけど、完全にプラントベースかどうかは専門家ではない筆者には判断がつかないので、厳格なヴィーガンやアレルギーの方は気をつけてね。これはプレーン。

▼こっちがごま担々。ごま担々マジで美味しかった。マジで。